ボーカル講師 対談インタビュー:西原大介トレーナー

音楽をはじめたきっかけ

母が音楽好きだったものですから、実家にはアップライトピアノがあったんです。私も小学1年生から本格的にピアノを習いはじめて、中学を卒業するまでずっと続けていました。その後、高校生になると友達とバンドを組んでプロをめざすようになり、「プロになるならば、まず音大へ」と、考えたんです。子供の頃から楽譜をよみ、あらゆる音が楽譜になって聴こえてくる感覚になっていましたので、大学入試そのものに難しさを感じることはありませんでした。ただ、取り立てて裕福な家庭ではなかったものですから、奨学金をはじめとした支援をいただいて、大阪音楽大学の声楽専攻科に進むことができました。

大学時代の思い出と言えば、授業を終えた後に中華料理店でアルバイトをしたこと、そして、休みのたびに仲間と遊んだことでしょうか(笑)。このときに出会った友人の存在があったからこそ、今ここに私がいるのだと思います。大学卒業後、一度は就職をして、映像の編集作業などに携わったのですが、やはり「プロになりたい」という気持ちを捨てることができなくて。友人と2人で汚い車を走らせて、28歳のときに神戸から上京してきたんです。自由が丘の不動産屋さんでアパートを紹介してもらって、それからは毎日朝から皿洗いのアルバイト、週末は歌がうたえる聖歌隊に参加する、といった生活を送るようになりました。

ボーカル講師(ボイストレーナー)をはじめたきっかけ

友人と2人で結成したユニットでは、私が作曲を担当し、彼がボーカルを担当していました。そして、私がアルバイトに励む一方で、彼があちこちに売り込みをしてくれたおかげで、『BIGBELL』としてデビューすることが決まったんです。お互いにグランドピアノを弾き合い、歌い合うという独特のスタイルで10年にわたって活動したものの、10枚目のCDをリリースしたのを区切りに、今は活動休止の状態が続いています。

こうしてプレイヤーとしては一線を退いたわけですが、10年間、シンガーであり作曲家としてお付き合いさせていただいた方々との人脈は、私にとって大きな財産になりました。テレビコマーシャルをはじめ、番組のテーマ曲など、さまざまな形で作曲のオファーをいただくようになったんです。また、創作活動に取り組む傍ら、音大声楽科卒のスキルをいかして歌唱指導をすることもありました。児童養護施設で歌の先生をしたり、1対1で個人レッスンをはじめたことが、私にとってのボーカル講師デビューだったと記憶しています。

講師(ボイストレーナー)業を行う上で重要視しているところ

実は、ボイストレーナーという仕事をしているなかで、今も迷い続けているところがあるんです。「教える」という仕事は、やりがいがある反面、本当に難しいものだと感じています。私個人としては、みなさんに楽しんでもらいながらレッスンを進めていきたい。そしてその一方で、お1人お1人に成長してもらいたいという気持ちもあるわけです。優しく接するだけでは生徒さんのためにならないでしょうし、厳しい言葉を投げかけてしまっては、生徒さんのヤル気を損ねかねません。楽しいレッスンと生徒さんの成長と、「両方をバランスよく」と考えるわけですが、これがなかなか難しいんですよね(笑)。でも、私自身が魅力的なボーカル講師になることが、きっと生徒さんのモチベーションアップにつながるはずだ、と。そう考えて、1つ1つのレッスンを頑張っているところです。

ボーカル講師(ボイストレーナー)を行っていて良かったと感じる瞬間は?

自分が担当する生徒さんの嬉しい変化に立ち会えたときは、「ボーカル講師って本当に良い仕事だな」と思いますね。たとえば、これまで歌えなかった音域を、ハッキリと出せるようになったり。生徒さんの喜びを共有できること、生徒さんの反応がダイレクトに伝わってくるという意味では、作曲の仕事より講師業の方がずっと面白いかもしれません(笑)。私は、モアのボイストレーナーをはじめてまだ1年ほどですが、それでも私に信頼を寄せてくださる生徒さんもいらして、本当に嬉しく思っています。

ボーカル教室の生徒さんに伝えたいメッセージ

いま私が担当している生徒さんは、男性と女性がちょうど半分ずつ、という感じでしょうか。私が思うのは、何となくみなさん「謙虚」だと言いますか。「ちょっと出来ないな」「ムリかな」と、一歩引いてしまう方が多くみられるように感じます。そうした生徒さんに向けて、私は「もっとワガママに!」と、声を大にして言いたいのです。自分は「こうありたい」と、目標が明確になると、目の輝きが違ってくるものですし、レッスンにも欲が出てくるものです。私は、45分のレッスン中、質問攻めにされても構いませんし、「自分の歌で天下を取りたい」でも、「舞台に立ちたい」でも、生徒さんの目標を叶えるために力を尽くしたいと思います。生徒さんはみなさん、大事なお金と時間を使ってレッスンに通われているわけですから、私たちボーカル講師に遠慮なさらずに、ぜひ強い想いをぶつけてほしいと思います。もちろん、「歌が下手なので何とかしてください」といった丸投げの状態でも、丁寧に対応いたしますけれど(笑)。できればご自宅でも毎日、20分でも30分でも発声のトレーニングを続けてもらいたいですね。

モア東京ボーカル教室のよいところは

モアのよいところは何といっても、教室全体が「キレイ」なこと。おトイレに蠅が飛んでいることもなければ、ブースの中も掃除が行き届いていて、校長もボーカル講師も分け隔てなく掃除機をかけます。おかげで、少々神経質な私でも、除菌シートを使わずにピアノを弾きはじめられるほどでが、こうした美しい場所にはきっと、「よい気」が流れていると思うんです。実際に、モアのボーカル講師をはじめてから、作曲の仕事の方もオファーが増えていて、自分自身、運気アップを感じることがよくあります(笑)。きっちりとしたビジョンをもった校長のもと、現役で活躍するプレイヤーやクリエイターがボーカル講師として自分のスキルを発揮する。レッスンの合間に講師同士で話をしたり、情報交換することで刺激をもらうことができますし、生徒さんから教えてもらうこともたくさんあります。そして何よりも、モアのボーカル講師は離職率がとても低くて、これこそがモアならではのよい空気感、働きやすさの証明だと思います。

近い将来の音楽家としての目標は…

かっこ良く言えば、音楽を介した「社会貢献」でしょうか。クリエイターとしては、自分がつくった曲をたくさんの人に聴いてもらい、喜んでもらいたいと思いますし、ボーカル講師としては、たくさんの生徒さんと良いレッスンをしたいです。創作活動ばかりしていた頃は、「引きこもり」のような状態でしたけれど(笑)。そこから一歩踏み出して、モアの「よい気」に触れて、いま本当に充実していると感じます。名選手は名監督にあらず、と言われるように、歌がうまいから、曲がつくれるから教えられるという訳ではありません。自分なりにスキルを磨きながら、曲づくりもレッスンの組み立ても、さらにレベルアップさせたいと思っています。