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【ボイストレーニング コラム】声の種類を詳しく解説

【ボイストレーニング コラム】声の種類を詳しく解説


 

このページはとても専門的なものになっています。
実際にボーカルレッスン・ボイストレーニングを受けられる方のための内容だとお考えください。

歌をうたう時、皆さんが使う声を【歌声】と呼びます。でも一口に【歌声】と言っても、色々な種類があるのをご存知ですか?

 

それでは、さまざまな【歌声】についてご説明しましょう。


1. チェストボイス
いわゆる【地声】と呼ばれる発声。なかでも【息の音が混じらない】声を指します。発声時に【胸が鳴る(共鳴する)】感覚があることから、チェストボイスと名付けられました。チェストボイスは、ハッキリと声の輪郭を作ることができるため、ジャンルを問わず色々な楽曲に使われています。(例:「宇宙戦艦ヤマト」ささきいさお、「真夏の夜の夢」松任谷由美)


2. ヘッドボイス
ヘッドボイスは、【裏声】と呼ばれる発声の中でも、とくに【息の音が混じらない】声を指します。発声時に【頭が鳴る(共鳴する)】感覚があることから、ヘッドボイスと名付けられました。ヘッドボイスは無駄に息を消費することなく、ハッキリと声の輪郭を作ることができるため、色々なジャンルで使われています。(例:「100万回のlove song」Lake、「Jupiter」平原綾香)


3. ミックスボイス
1でご説明した【チェストボイス】と2でご説明した【ヘッドボイス】を、文字通りミックスさせたのが【ミックスボイス】。【チェストボイス】の豊かな響き、【ヘッドボイス】の軽さを併せもち、2つのブレンド加減を調整することで、声の硬さ・濃度を変えることができます。(例:「Lovers Again」EXILE、「GO FOR IT!!」西野カナ)


4. ファルセット
いわゆる【裏声】と呼ばれる発声の中でも、【息の音が混ざった】声のこと。【地声】との対比で使われることが多く、【軽く・淡く・広がる】音で、たくさんの息を消費するのが特徴です。声帯を開くことによって、声の高さには関係なく【チェストボイス】、【ヘッドボイス】、【ミックスボイス】のそれぞれに【混ぜ込む】ことが出来ます。


【歌声】の種類には、大きく分けて以上の4つがあります。
それでは、これらの発声法を一つずつ解説して行きましょう。


【チェストボイス】
チェストボイスを出すためには、いわゆる【地声】の状態で、声帯をピッタリとくっつけることが大切。これには、いくつかのコツがあります。まず、声帯がある【喉頭(喉仏)】を下げて、声の根っこを胸に置くイメージを持ちます(あくびをする一歩手前の感覚)。そして、自分の声を【硬口蓋(前歯の上・硬い口の天井部分)】に当てます。どうですか?ビリビリとした振動が、胸に伝わる感覚がありませんか?ポイントは、低い音・リラックスした音で始めること。少しだけ【暗い声】をイメージすれば、さらに深い響きになりますよ。


【ヘッドボイス】
いわゆる【裏声】を出すことは、ちょっぴり恥ずかしいかも知れません。まずは【自分の声】と思わずに、【体を使って音を出す】のだと考えてください。【裏声】のまま声帯をピッタリとくっつけるには、【声帯を引っ張る】ことが必要。【口の奥を縦に開く】ようなイメージをもって、舌根(ベロの根本)を下げてみましょう。声を【軟口蓋(鼻と口をつなぐ穴付近・柔らかい口の奥の天井)】に向けて、頭頂部を鳴らすように。【息を少なく使う】ことも、重要なポイントですよ。


【ミックスボイス】
【チェストボイス】と【ミックスボイス】の2つの声を併せもち、それぞれの音を混ぜ込んで行くのが【ミックスボイス】。とても難易度が高い発声ですから、実際にボイストレーニング(ボイトレ・ボーカルトレーニング)を受けて、トレーニングを重ねることをお勧めします。


【チェストミックス】
【チェストボイス】を徐々に高い音にして、【軽く】・【細く】・【息を少なく】して行く発声法です。声のベクトルは【硬口蓋】から【軟口蓋】へとシフトし、そのまま滑らかに【ヘッドボイス】へとつなげて行きます。ポイントは、【チェストボイス】をしっかりと【立ち上げる(声帯がくっついている・息が声に変換されている状態)】
こと。このとき声帯が開いている(ファルセットが混ざっている)と、うまくミックス出来ませんから注意しましょう。


2つのミックスボイス、【チェストミックス】と【ヘッドミックス】は、それぞれがお互いを補完しあう役割があります。ですから、どちらもバランスよく練習することによって、【チェストボイス】~【ミックスボイス】~【ヘッドボイス】と、スムーズにつなげられるようになるのです。


【ファルセット】
声帯を開いて(緩めて)、息を漏らしながら発声する方法で、別名・ウィスパーボイスとも呼ばれます。同じアーティスト・同じ楽曲でも、フレーズやセクションによって、それぞれの発声法が混在するほど、複雑に絡み合った歌声になります。

 

皆さんの好きなアーティスト・好きな楽曲をヘッドホンなどで聴いて、どんな発声法なのかを聴き分けてみましょう!

 

自分の好きなアーティストの歌声の秘密が、見えて来るかも知れませんよ。

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