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高橋真梨子「ごめんね…」歌い方・コード進行解説|火サス主題歌の名曲を分析

今回は1996年にリリースされた高橋真梨子26枚目のシングル「ごめんね…」を解説していく。

 

「火曜サスペンス劇場」の主題歌として起用されたこの楽曲は特に主婦層からの支持が厚く、カラオケでは特に40代、50代から人気の楽曲となっている。

楽曲名ごめんね…
アーティスト高橋真梨子
リリース1996年(26thシングル)
KeyGb
BPM74
ジャンルポップス/バラード
タイアップ日本テレビ系「火曜サスペンス劇場」主題歌
難易度A

歌詞の考察

 

この楽曲で注目して欲しいのは「ごめんね」というタイトル。

作詞をした高橋真梨子氏はこの楽曲に母への想いを重ねてたという。不倫をしてしまった母を恨み続けていた高橋真梨子氏だったが、母の余命を知った時、「ごめんね」という言葉が溢れ出した。このたった一言の言葉にどれだけの想いが込められていたかを想像してみて欲しい。

 

この楽曲の歌詞では傷付けてしまった恋人への後悔の気持ちが主題となっているが、タイトルの一言に歌詞の想い全てが込められている。


コードとメロディ・リズムの兼ね合いを検証

 

BPMは74。KeyはGbとなっている。

 

Introコード進行

|Gb  Bbm|Cb△7  |Gb  Bbm|Cb△7  |

|Dbsus4|Dbsus4|

 

イントロではダイアトニックコードに沿ってコード進行が作られている。注目をして欲しいのはKeyがメジャーキーとなっている点。

 

ここでは循環の最後のコードをCb△7にする事で雰囲気がとても柔らかくなっている。先述の歌詞の考察にもあったが、この楽曲は傷付けてしまった恋人への後悔の気持ちを歌っている。メジャーキーに後悔の気持ちと相反するように思えるが、コード進行により、明る過ぎずに切なくドラマティックな雰囲気が作りだされている。

 


Aメロコード進行

|Gb   |Bbm   |Cb  Db|Bbm  Ebm|

|Abm7  Abm7/Db|Bbm  Ebm|

|Ab7  |Cb/Db  Db|

|Gb   |Bbm   |Cb  Db|Bbm  Ebm|

|Abm7  Abm7/Db|Bbm  Ebm|

|Ab7   Dbsus4 Db|Db    |

 

Aメロもイントロ同様スケールから外れる事無くコード進行が作成されている。注目したいのはCb/DbとAbm7/Dbのオンコード。

 

基本的にオンコードはコードの構成音がベースに来る事が多いが上記の2つは両方とも構成音になっていない。この場合はベースとなっている音(Db)のテンションコード(Db7(9.11))を視覚上簡略化する為に言い換えていると考えるのが一般的だ。

 

各コードの構成音

Cb/Db「Db・Cb・Eb・Gb」

Abm7/Db「Db・Ab・Cb・Eb・Gb」

Db7(9.11)「Db・F・Ab・Cb・Eb・Gb」

 

Cb/DbとAbm7/DbはAbが構成音として入っているかいないかの違いとなっている。Dbから見たAbは5度なのでコードの機能としてはあっても無くても良い音になる。響きを軽くしたい場合はCb/Db、厚みを持たせたい場合はAbm7/Dbと状況に応じて選択する事が出来る。

 

メロディラインとしては動きの多い非常に難しいメロディとなっている。フレーズが折り返しになる8小節まではこれといったモチーフも無くメロディが展開されている。ここで注目したいのは歌詞のイントーネーション。言葉のイントネーションに沿うようにメロディが作られている為、動きが多くモチーフが無いラインとなっている。改めて楽曲を聴いてみるとメロディが語り掛けているように聴こえてこないだろうか?

 

歌詞の内容も相まり聴きてに感情移入をささる非常に素晴らしいメロディの作り方となっている。

 

リズムにおいても同様の事が言える為、16分音符が中心の細かく難しいリズムとなっている。ここで注意をしたいのは譜面のリズム通りにカチッとハメてしまわない事。カチッとしてしまうと非常にカタコトに聴こえてしまうので話し言葉を常に意識して柔らかく歌い上げて欲しい。

 

高橋真梨子「ごめんね…」Aメロのオンコードとイントネーションに沿ったメロディの譜面

 


サビコード進行

|Cb   Db  |Bbm7  Ebm |

|Cb   Db  |Bbm7  Ebm |

|Cb   Db  |Bb7  Ebm |

|Abm7  |Cb  Cb/Db  |Gb  |

 

Ⅳ-Ⅴ-Ⅲm-ⅥmのJpops王道進行に、3周目でセカンダリードミナントによるBb7で解決感を強くしている。7小節目からはⅡm-Ⅳ-Ⅳ/Ⅴ-ⅠとGbに向かう為の定番な美しい流れとなっている。サビが終わって初めてGbに解決しメジャー感を出している点にも注目をしたい。

 

メロディラインとしてはAメロ同様にイントネーションを大事に作られているが、1小節目、5小節目では似たメロディやリズムを使用しサビ全体に統一感を持たせている。

 

注目したいのはリズム。

Aメロと変わって8分音符が中心の伸びのあるリズムとなっている。長い音符を使う事により、歌詞がしっかりと聴こえてくるのに気づくだろうか?

また、Aメロでは細かく、サビでは長く、と対照的にする事でサビの世界観が広がる雰囲気やドラマチックな展開を作り出している。

 

高橋真梨子「ごめんね…」サビのJ-pops王道進行と伸びのあるメロディの譜面


Cメロコード進行

|Fb  |Cb  |Ebb  |Gb  |

|Ebm  |Bbm7  |Cb  Abm7 |Cb/Db  Db|

|Cb/Db  Db Cb/Db  Db|

 

ここではノンダイアトニックであるFとEbbを使用し転調感を持たせたアレンジとなっている。この2つのコードはモーダルインターチェンジというコード理論によってKey Gbm(F#m)から借用されたコードとなる。Keyに対してbⅥとbⅦのコードが使用された場合モーダルインターチェンジとなるので覚えておきたい。

 

メロディラインとしては、2小節のメロディモチーフを繰り返した後、一度落としてからラストのサビに向けて上昇していく流れとなっている。1小節目Fbと3小節目Ebbの際にはコードトーンをとったメロディラインとなる為ピッチが迷子にならないよう注意をしたい。両方とも一拍目が休符となる為そこでしっかりとコード感を聴き取って欲しい。

 

リズムとしては7小節目にある3連符がこのセクションでのキモとなる。今まで偶数音符のみで構成されていたリズムに急に奇数音符の3連符が入る事によりブレーキが掛かり次の音符が強調される。この楽曲では全体的にリズムを柔らかく取って欲しいがここの3連符だけはしっかりとハメれるよう意識をして欲しい。

 

高橋真梨子「ごめんね…」Cメロのモーダルインターチェンジと3連符の譜面

 


いかがだっただろうか?

 

この楽曲は恐らく詞先(メロディよりも歌詞が先に完成すること)で作られたと思えるほど歌詞を大事にしている。メロディライン、アレンジ全てがより歌詞を際立たせ楽曲の世界観に没頭し、感情移入する事が出来る至上の一曲。歌唱難易度は高いと思うが、この楽曲を理解してリズムやピッチに縛られず湧き出てくるエモーショナルな歌を感じて貰いたい。

 


声について

 

全体的にしっかりとした質感の声です。声帯は厚めですが、高音にかけて力まず歌い切ることがポイントです。喉頭の位置もリラックスした状態で歌いましょう。


 

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タグ

#高橋真梨子 #ごめんね #火曜サスペンス劇場 #歌謡曲 #女性ボーカル

この記事を書いた人

モアサポートバンドメンバー〜MOAが誇る講師とプロミュージシャンがタッグを組み、ポップス曲解説を制作〜

講師

モアサポートバンドメンバー〜MOAが誇る講師とプロミュージシャンがタッグを組み、ポップス曲解説を制作〜

【経歴】
専門学校横浜ミュージックスクール出身を中心に結成された、キーボード・ドラム・ギター・ベースによる現役プロのサポートバンド。メンバーはそれぞれ、バンドメンバーとしてのメジャーデビューや、嵐をはじめとする多彩なアーティストのライブ・レコーディング参加、Mr.Children主催「ap bank fes」出場、各種オーディションでの最優秀賞獲得など、確かな実績を持つ。フジロック、Japan JAM、ap bank fes、THE FIRST TAKEなど国内有数のフェス・番組への出演をはじめ、数多くのアーティストのライブサポートやレコーディングを手がける。豊富な現場経験を活かし、ポップス曲を演奏・歌唱の両面から実践的に解説している。

 

【主なサポート・出演歴】
嵐/TOOBOE/杏沙子/コバソロ/上野優華/富田麻帆/ザ・コインロッカーズ/ダウト/櫻井有紀(Raphael)/生熊耕治(cune)/WHY@DOLL/ミライスカート ほか多数 フジロック/Japan JAM/ap bank fes/THE FIRST TAKE 出演(敬称略)

 

【ディレクター】
工藤講師

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