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【ミュージカル曲コラム】『ハードノックライフ/Hard Knock Life』アニー/Annie 歌い方・歌 上達法

【曲名】ハードノックライフ/Hard Knock Life
【演目】アニー/Annie


【演目について】
新聞「ニューヨーク・デイリー・ニューズ」に連載された、ハロルド・グレイによる『小さな孤児アニー(Little Orphan Annie)という漫画として1924年に「アニー」が誕生しました。
当初ハロルド・グレイは、大恐慌にあえぐ労働者階級の姿を捉えた風刺漫画を描く予定でしたが、直前で11歳の孤児の女の子を主人公に変更したことにより大きな反響を呼び、新聞連載は50年以上も継続されました。
そして1977年、ミュージカル『アニー』がブロードウェイに登場します。
作詞・演出を手がけたマーティン・チャーニンは、1970年に友人へのプレゼント用に『アニー』の原作コミックを手に取りましたが、その世界に惹きこまれすぐに上演化の権利を取り、原作には無かったアニーとウォーバックスの出会いを描いたミュージカルを制作しました。開幕直後から話題となり、劇中歌『トゥモロー』が大ヒットするなど、空前の人気を博しました。この年、アメリカ演劇界最高の賞といわれるトニー賞でも、作品賞をはじめとする7部門を受賞し、ミュージカル史に燦然と輝く名作となりました。


【曲について】
時は1933年、街は仕事も住む場所もない人であふれ、誰もが希望を失っていた、世界大恐慌直後の真冬のニューヨーク。ニューヨーク市立孤児院に住む11歳の赤毛の女の子アニーは、同じ孤児院の女の子達と共に、院長のミス・ハニガンからのイジメに耐える日々を送っていました。
クリスマスが近いある日、意地悪ハニガンと孤児たちが毎日の攻防を繰り広げているシーンで、オーケストラがかなり早い段階からイントロのビートを刻み始めます。ハニガンがいなくなると、彼女たちの“うんざりモード”が最高潮とばかりに、間髪入れずに「ハードノックライフ」が始まります。
「クリスマスって何?」「サンタって誰?」という歌詞からは、クリスマスには縁遠く、辛い毎日を過ごしているということが伝わってきます。思い出を語る子、強がる子、もう楽しいクリスマスは自分たちに訪れないことを知っている子……、心情をそれぞれ独白形式で語ります。孤児院で暮らす女の子達の境遇や気持ちを歌ったナンバーです。


【歌唱ポイント、アプローチ】
ハードノックライフはアニーで一番高い音が出てくる曲。勢いで高音部を歌ってしまいがちですが、喉声にならない様に気を付け、体を使って声を出すように練習しましょう。喉声は、聴きづらい音色となり、ピッチも安定しません。腹筋と背筋をバランス良く適宜使えるようになると効果的です。


 

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