長井 勝（ながい まさる） 講師

今、本人の1番力を出せるレンジを見極める。
【その歌を上手くなりたいだけでは…上手くならない】

長井講師の場合、インターバルの時間でウォーミングアップを終えている生徒さんが多いため、発声練習から始める。ハミングから少しずつ声帯周辺の血流を促す。リップロールなどを利用しながら、声の立ち上げをしていく。声帯を痛めないように徐々に負荷をかけていく必要がある。
続いて、舌根のストレッチと喉を開く発声。
「ラガラガ」「アエアエ」など、軽い発声から重い発声へと進む。「いいまやあまに」「おーい」などを利用しながら、息圧が強いものへと少しずつ進む。さらに、「ネイネイ」「ウィ－ウィ－」「ニャアニャア」などで地声から裏声の声区をつなげる。

長井講師いわく、『その歌を上手くなりたいだけでは…上手くならない』。

しっかりした基礎ができていないと上手く歌うことはできない。近年のＪポップス楽曲は、セクションによって音色を使い分けるなど複雑で、テクニックが難解。一方で、世の中は「すぐに上手くなる方法」を求めてしまいがち。

次に、特に重要な『ご本人の声域にあったkey』を確認する。
その生徒さんに最もあった声域。曲のサビ部分で、地声の1番高く出るところでkeyを決め練習をする。ここが大切で、今、本人の1番力を出せるレンジを見極める。
無理に…原曲キーで練習し続けるのではなく、今の状態で、最大限を目指す。トレーニングによって、声域が広がっていくことで、自然により高い声域で歌えるようになっていく。モアであればピアノ伴奏でもオケでもKey調整をしてレッスンすることができる。

原曲至上主義にとらわれることなく、一度体感すると、まったく違う体感がある。生徒さん自身が移調の感覚がわからない場合は一緒に歌うなどサポートに努めている。
結果、生徒さんそれぞれの曲の完成度が違ってくる。他の世の中のアーティストも、カバーする場合は、必ずkeyを変えている。みんな自分の魅力を最大限に出し見せる方法を知っている。

次に重要なことがブレスの位置。歌が上手い人ほどブレスが上手い。最近の楽曲はブレスのタイミングが非常に難しいため、カンニング・ブレス（カット・ブレス）のレッスンも得意としている。

歌い易くなる！
だから上達する。

続いて、ボーカルテクニック。シャクリ、リリース（語尾）の調整、セクションごとの音色の調整など多彩な引き出しを持っている。長年、専門学校で講義をしてきただけに、裏打ちされたレッスンが必然する。