コラムTOPに戻る

千のナイフの歌い方・意味|ベートーヴェン/トニー・ブレンターノ|モア東京ボーカル教室

📜 日本語オリジナル譜面:対象曲

千のナイフ|ミュージカル『ベートーヴェン/Beethoven’s Secret』

 

ミュージカル『ベートーヴェン』でトニーが歌う「千のナイフ」は、愛と母性の板挟みに苦しむ女性の絶望を描いた、作品中唯一の完全オリジナル楽曲です。孤独から愛、そして絶望へと変化する心情をどう歌うか。曲の背景と歌唱のポイントを、プロのミュージカル俳優が解説します。

このページでわかること

▶ ミュージカル『ベートーヴェン』の作品背景

▶ 「千のナイフ」が唯一の完全オリジナル曲である理由

1番と2番で歌い方を変えるポイント


ミュージカル『ベートーヴェン』とは

 

本作は、『エリザベート』や『モーツァルト!』などの人気作品を手掛けてきたミヒャエル・クンツェ(脚本/歌詞)とシルヴェスター・リーヴァイ(音楽/編曲)のコンビによる作品です。ウィーンのチームが創り、演出家はドイツ人、世界初演(2023年1月)が韓国とあって、いろいろな国の文化や背景が反映されています。

 

クラシック音楽史にその名を残すルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの謎に満ちた人物像とその生涯にフォーカスし、ベートーヴェンの〈愛〉をテーマに、【父からの虐待】【弟との確執】【貴族からの独立】【幻聴による強迫観念】そして【叶わぬ恋】と、様々なシーンを織り交ぜたストーリーとなっています。

🎹 構想に10年以上を費やした音楽づくり

実際にベートーヴェンが残した膨大な楽曲から、誰もが一度は耳にしたことがある「悲愴」「月光」「英雄」「運命」「田園」「皇帝」「エリーゼのために」「第九」などのメロディに歌詞をつけ、旋律を再構築し、各シーンに当てはめていくというアプローチを試みたため、構想に10年以上の歳月を費やしました。

ベートーヴェンが1812年にしたためるも相手に送ることなく、死後に発見された熱烈な恋文。“不滅の恋人”とだけ書かれたその宛先が誰であったのかについては諸説あると言われています。その女性こそが、ウィーンの名家の出身で慈善家として知られたアントニー・ブレンターノ(トニー)だった——という仮説に基づいて制作されたミュージカルです。


「千のナイフ」はどんな曲?

 

当代随一のピアニストとして、作曲家として、のちの音楽家に多大なる影響を及ぼしたベートーヴェンは、幼い頃から父の暴力と虐待の中で育ち、愛や人を信じられないまま孤独に生きていました。

 

ある日、自分に無礼を働いた貴族たちに謝罪させようとキンスキー君主を訪ねた際、人妻であるアントニー・ブレンターノ(トニー)に出会います。ベートーヴェンは聴力を失い絶望に陥りますが、トニーと互いに慰めあううちに、愛を信じないベートーヴェンと、一度も愛を感じたことがないトニーは、嵐のような恋愛関係に落ちていくことになります。

 

本楽曲は、2人の秘密の関係が明るみになり、自身の子供達と引き離される恐怖とベートーヴェンへの愛の板挟みによって、トニーが2幕終盤で歌う曲です。

作品中、唯一の完全オリジナル楽曲

本作品の他の曲はベートーヴェンが作曲した原曲を基にしていますが、『千のナイフ』は唯一の完全オリジナルとして制作されました。トニーの心情を描くために、新たに書き下ろされた特別な一曲です。


「千のナイフ」の歌い方・ポイント

 

この楽曲は、トニー自身が抱き続けていた孤独や人生への葛藤が、ベートーヴェンとの出会いによって晴れ渡るが故に訪れた愛の苦悩、やがてそれが絶望へと変化していく心情が描かれています。そのため、感情の高まりを表現するように楽曲のテンポ感が変化していきます。楽譜記載のテンポや強弱記号を意識して歌いましょう。

 1番の歌い方

歌うよりも、ため息をつくように:息の量を多めに、かつ語尾は伸ばしすぎないようにしましょう。

1番ラストは『闇』を強く:「ただ待つのは 闇」の『闇』を強く歌うことで、絶望感を強く表現できます。

🎤 2番の歌い方

リズムを楽譜で確認する:2番の方がワンフレーズに入る言葉の数が多く、歌詞のリズムも少し変則的になるため、楽譜でリズムを確認しながら練習しましょう。

最も力強く吐露する部分:「どこまで愚かなの、希望は消えた、叶うはずがない」は、この楽曲の中で一番力強く心情を吐露する部分です。それまでと歌い方に変化をつけると良いでしょう。

それ以降のサビはさらに力強く「後戻りできない絶望感」を歌唱で表現することにより、哀しみが悲壮へと変化したことを描き出せます。

こうした感情の段階的な変化を歌で描くことは、独学では難しい部分でもあります。モアのミュージカルレッスンでは、元劇団四季・東宝出演の講師が、曲の背景理解から「役として歌う」表現まで丁寧にサポートします。


オリジナル日本語楽譜をご用意しています

 

「千のナイフ」オリジナル日本語楽譜(第28弾)

モア東京ボーカル教室 在籍特典として、オリジナル日本語楽譜をご提供しています。市販されていない楽譜を使って、効率的に学ぶことができます。

※ 著作権の関係により販売は行いません。レッスン内でのみご提供しています。


関連コンテンツ

この曲を歌ってみたい方へ|モア東京ボーカル教室

モア東京ボーカル教室は、プロのミュージカル俳優が指導する、ミュージカルに強いボーカルスクールです。「千のナイフ」のような感情の起伏が大きいドラマティックな曲も、人物像の理解から発声・表現まで、マンツーマンで丁寧に指導します。浦安・津田沼・葛西・錦糸町の4校とオンラインで、東京・千葉エリアから通えます。

あなたに合うレッスンは?

タグ

#千のナイフ #ベートーヴェン #BeethovensSecret #クンツェとリーヴァイ #不滅の恋人 #ミュージカルレッスン #モア東京ボーカル教室

この記事を書いた人

モアミュージカル講師陣~MOAが誇るミュージカル俳優たちがタッグを組み、ミュージカル曲解説を制作~

講師

モアミュージカル講師陣~MOAが誇るミュージカル俳優たちがタッグを組み、ミュージカル曲解説を制作~

【経歴】
元劇団四季やミュージカル俳優などミュージカルに精通したメンバーで構成。共通していることは、全員「レ・ミゼラブル」出演経験があること。
これまでの舞台経験を活かし、商業ミュージカルを含めた歌唱指導を行っている。
【出演経験】
「レ・ミゼラブル」「Miss Saigon」「デスノート」「ピーターパン」「Into The Woods」「太平洋序曲」「ライオンキング」他多数

この記事をシェア!

PAGETOP