【ミュージカル曲コラム】『夢に見る〜Waiting on a Wish〜/Waiting on a Wish』白雪姫/Disney’s Snow White 歌い方・歌 上達法
【曲名】夢に見る〜Waiting on a Wish〜 / Waiting on a Wish
【演目】白雪姫/Disney’s Snow White
【演目について】
『白雪姫』は、グリム童話を原作としたディズニーの世界初のカラー長編アニメーション映画『白雪姫』(1937年)を基にした実写ミュージカル映画である。ディズニーが手掛ける実写版では、『美女と野獣』や『アラジン』のように、新たな視点やキャラクター設定の変更を加えながらも、オリジナルの魅力を大切にした作品が多く生み出されている。
本作では、白雪姫が単なる受動的な存在ではなく、自らの運命を切り拓こうとする強い意志を持つキャラクターとして描かれており、『ウエスト・サイド・ストーリー』でゴールデングローブ賞主演女優賞に輝いたレイチェル・ゼグラーが演じている。監督は『アメイジング・スパイダーマン』などを手掛けたマーク・ウェブが務めた。
【曲について】
本楽曲は、白雪姫が未来への夢や希望を抱きながら歌う、映画オリジナルの「I Want ソング」で、本作のメインとなる1曲といえる。
アニメーション版で白雪姫が井戸に歌いかける「私の願い」をオマージュとし、『ラ・ラ・ランド』『グレイテスト・ショーマン』の作曲家パセク&ポールが新たに手掛けた。
従来の白雪姫は、運命に身を委ねる受動的なキャラクターとして描かれることが多かったが、この楽曲では、彼女がただ願いを待つのではなく、自ら夢を追い求める姿勢が鮮明に表現されている。 曲調は、ディズニーの伝統的なバラードの要素を受け継ぎながらも、現代的なポップスの影響を受けたアレンジが施されている。美しく繊細なメロディラインと壮大なオーケストレーションが融合し、白雪姫の希望に満ちた心情を際立たせている。
【歌唱ポイント、アプローチ】
この楽曲は、希望と決意を込めたバラードであり、深い表現力が求められるナンバーです。そのため、感情を込めて歌えるように、まずは歌詞の意味を深く理解しましょう。
曲の冒頭では、白雪姫が静かに夢を語るように歌い始めます。繊細な入りと、徐々に高まる感情の流れを意識するため、息をしっかりとコントロールし、柔らかく優しい声で歌い出すことが重要です。徐々にクレッシェンドをつけながら、希望が膨らんでいく様子を表現し、クライマックスに向けて感情を高めていくと、より説得力のある歌唱になります。
特に、サビでは夢への強い願いが込められているため、声に力強さを加えつつ、決意を歌い上げることが重要です。歌詞の中に込められた願いと意志をしっかりと感じ取り、それを表現する練習を繰り返しましょう。
また、ブレスの位置を意識し、フレーズの流れを大切にする意識も持ちましょう。メロディラインが流れるように構成されているため、ブレスの位置を適切に取ることで、楽曲の美しさを最大限に引き出せます。特に、長く伸ばす音は、しっかりと息を支え、安定した発声を心がけましょう。息遣いを工夫することで、楽曲全体に自然な流れを生み出しながら後半への感情の昂りへと持っていくことができます。
この曲を通じて、白雪姫がただ「待つ」存在ではなく、自ら未来を切り開こうとする強い意志を持つキャラクターであることを伝える意識を持って練習しましょう。