「ミュージカルの現場ってどんな感じ?〜子どもが舞台に立つまで〜」
オーディション合格後、どのような準備が始まるの?
お子さんがオーディションに合格したら、いよいよ本格的なお稽古がスタートします。
商業ベースのミュージカルの場合、約1ヶ月半前から歌稽古が始まり、「歌→振付→芝居」という順で段階的に稽古が進みます。
歌稽古では、楽譜や音源が事前に渡され、「ある程度歌える状態」で臨むことが理想です。プロの現場では「教えてもらう前にできていること」が求められることも多いです。
稽古の流れと役割分担
ダンスや演技の指導は、それぞれの専門の指導者が担当。
演出家が中心になって全体の方向性を示し、歌やダンスの担当者たちがそれに沿って指導していきます。演出家はピラミッドの頂点に立つ存在です。
お稽古の中で大切なこと
お子さんにとって大切なのは、素直さ・集中力・対応力。「こうしてね」と言われたことにしっかり応えられる、素直な反応が何よりも大事です。
長時間の集中が苦手な子どもは、普段から集中力を高めるトレーニングが必要です。例えば、普段の個人レッスンやグループレッスンで、最初は少しずつ、集中できる時間を増やしていくことが大切。また、グループ内で他のメンバーに影響されずに集中できる力も意識しましょう。
逆に「習ったことしかできない」と固まってしまうと、せっかくのチャンスを活かしきれないこともあります。
親御さんの役割って?
稽古場には基本的に親御さんは入りませんが、送り迎えや体調管理などのサポートはとても重要です。
また、待機中の他の保護者との関わり方にも注意が必要。「○○のレッスン受けないと受からないらしいよ」など、噂や先入観に振り回されないようにしましょう。ただし、孤立したり距離を置きすぎることもよくありません。同じ作品をつくる仲間として、協力する姿勢を持つことが大切です。
舞台本番へ…!
劇場入りは本番の数日前から。稽古の最終段階「場当たり」や「ゲネプロ(本番と同じ通しリハーサル)」を経て、ついに初日を迎えます。
大切なのは健康管理と時間厳守!舞台は多くの人の力で作り上げられるため、ひとりのミスが大きな影響を及ぼすこともあります。
よくあるのが忘れ物。毎日、持参するものを前夜に確認する習慣をつけましょう。また、公演期間中はたくさんの人が出入りするので、自分の持ち物には必ず名前を記入し、自己管理を徹底しましょう。
ミュージカルの世界はクリエイティブで面白い!
ミュージカルの現場は常に作品をよくするため、手直しが入ることがあります。その変化に対応する瞬発力・集中力が求められます。
まさに生きた学びの場であり、お子さんが感性を磨いたり、臨機応変な対応力を身につけたりするチャンスです。
公演を通じて場の空気感を感じ取り、大人や周囲の演者との交流から、圧倒的なコミュニケーション能力が育まれるはずです。