【Tsuneの活動ブログその⑩】『動詞』
皆様、こんにちは。
これからは、今までにも増してミュージカル一色の奮闘記です。
(かなり内容が偏っていますがお許しを。)
“ミュージカルの練習が本格的になってきました。”
3月の発表会まで残すところ1ヵ月半。
残り5回の全体練習とリハーサル。
限られた練習の機会で完成度の高い演技を目指します。
前回のブログからの練習はかなり密度が濃い。
個人レッスン2回、ミュージカル練習会3回。
(幻の個人レッスン1回←仕事が延びて行けなかった(;_;))
いずれもミュージカルの練習一色です。
まずは、個人レッスン。
「さあ、今日は何をやりましょう♪」
…なんてお決まりのフレーズが出てくる余地は全く無し。
選択肢なんてありません。個人レッスンで磨きをかけるのは、
もちろんミュージカル本番で唄う歌。
本番の音源を用いて、本番を意識した、本番に向けての練習。
と、練習の模様に入る前に、すこし、
前月までに教わったことをおさらい。
ミュージカル課題曲の譜面を教材に
・まずは、音程をつけずに歌詞を読んでみましょう。
・次に、音名で歌ってみましょう。
・では、母音で歌ってみましょう。
・8分の3拍子のリズムを意識して歌いましょう。
・小節間で大きく波を感じて、フレーズを繋ぐ
意識で歌いましょう。
・歌の表情を出すには、子音が結構大事です。
子音を意識して歌いましょう。
・ブレスの位置に気をつけましょう。
・高い音を頑張って出そうと張り切らないように。
声が響かなくなります。
・音階が下がってくる箇所で、一緒に音の響きも下がって
しまいます。響きは落とさないように気をつけましょう。
・会場の広さを感じて歌いましょう。
などなど。
これらは、先月までの指導です。
そして、今月の練習。
<個人レッスン>
その①:キーワードは『動詞』
トレーナー(ト)「この歌は、どう歌いますか?」
私(私)「クリスティーヌに自分の方を向いてほしい、
自分の気持ちをわかってほしい。でも振り向いてくれない。
そんな気持ちを抱きながら歌おうと思います。」
ト「はい、それは、場面を説明しているだけですね。
では、この場面を“動詞”ひと言で表すと何ですか?」
私「『ためらい』とか『憧れ』とか『愛情』とかですかね。」
ト「それは動詞ではないですね。動詞で表して下さい。」
私「『伝える』でしょうか?」
ト「では、『伝える』で歌ってみましょう。」
私 「♪この世に~ひそむ~」
ト「今、『伝える』を意識して歌いましたか?」
私「はい、意識してみました。」
ト「では、目の前に、伝える相手、
クリスティーヌ(相手役)は居ましたか?」
私「・・・・いえ、居ませんでした。」
ト「はい、そういう歌でした。相手が見えませんでした。
『伝える』になっていませんでした。」
ト「個人で練習するときは、相手が居るものと思って
歌って下さい。舞台でいきなり相手役を前にしても歌えません。」
ト「何故、『動詞』で表すかわかりますか?」
ト「役者は、身体で演じます。すなわち、『動き』なんです。
その時の登場人物の様子を“動詞”で表現出来ていないと、
動きがついてこない・演技にならないのです。その時の
登場人物の気持ちになって、その人はどのように動くか。
それをイメージして、身体に表現させる。演技というものは
そういうものです。ただそれらしく動いて、ただそれらしく歌って、
それでは観ている人には伝わりません。」
ト「舞台では、効果的な伴奏があったり、効果的な照明があったり、
効果的な小道具や舞台装置があって、いやがおうでもそれなりの
雰囲気になります。(これらに助けてもらえます)。観ている人に、
それなりの情景を感じてもらうことは出来るでしょう。
でも、歌そのものに気持ちが乗っていないと本当の意味で
観ている人には伝わらないのです。」
ト「そして、ミュージカル特有ですが、セリフを「歌」で
表現しますよね。ということは、ミュージカルで歌われる歌は、
本来セリフとしてしゃべる言葉に、伴奏という毛皮を着せている
ということなんです。ですから、歌を歌うという意識ではなく、
歌詞をセリフとして言葉として発してみてください。そうすると
『動詞』(動き)を意識できるようになります。そして、
あたかも舞台の上に居るかのように。」
指導の内容が大きく変わりました。舞台を意識しての指導に。
おのずと気持ちが高ぶります。
別のレッスン。
その②:キーワードは『自分の声は、一生自分では聞けません。』
・自分の耳の近くで声を聞こうとすると声がこもります。
・自分の声って、一生自分では聞こえないのです。
・耳の近くで自分の声を聞くのではなく、ホールの広さを感じ、
会場に響いている声を聞きましょう。
・芝居中、頭(首)が固定してしまわないように気をつけましょう。
歌いながら、多少、うなずく感じで首を振るぐらいが、
喉がリラックスしていい。観ている人には意外と動いて
いることはわからないもの。声に張りが出ます。
・格好よく声を出そうとすると、作った声になる。そういう時は、
往々として声が口の中に篭ってしまい、前に響かない。
・口が横に広がると声が潰れてしまいますが、
縦に広げることを意識すると声が伸びます。
・指を口につっこむイメージにすると口の中が広がります。
・高い音を意識して出そうと、不自然な音の飛び方
になります。聴いている人が音程に差を感じない
程度になめらかに歌えるといいですね。
舞台上での心得を詳細に教わりました。
教えのいくつを舞台上で発揮できるか。
全て、これからの練習にかかっています。
<ミュージカル全体練習>
2月に入って、始めて台本の最初から最後まで
「通し」で練習をしました。途中、飛ばした
シーンがあったにもかかわらず1時間40分。
ト書き無しのセリフと歌詞だけで、
A4版16ページの見事な台本。
今回はかなりの「超大作」であることを実感。
全体練習会(1回2時間)では、各シーンを
1回ずつやるのが精一杯。これからは、
一発勝負の緊張した練習が続きますよ、
メンバーのみなさん。
メンバーの顔つきや練習への取り組み方が変わってきました。
・他のメンバーの演技から学び取ろうと真剣に見つめるメンバー。
・練習会場の隅で自分の出演の場面の復習をするメンバー。
・すぐ歌を歌えるように、体をほぐすメンバー。
・発声練習をするメンバー。
・衣装に着替えるメンバー。
・共演者と出番直前まで詳細を確認するメンバー(達)。
談笑や無駄話はめっきり少なくなりました。
(これまでは、あったんかい!)
もう、演技中に台本を手にするメンバーは一人も居ません。
セリフ、歌、動きや配置、全てを頭に叩き込んで
練習に参加しています。
衣装が固まってきました。
小道具が用意されてきました。
舞台っぽくなってきました。
そして最も大きく変わったこと。
『Kトレーナーの表情が真剣モードに!』
一人一人の演技に熱い(細かい)指導が飛びます。
その一つ一つがメンバーの心に伝わります。
・照明の位置を意識した舞台上の立ち位置と動き方。
・出演者のお互いの位置の確認。
・目線、体の向き。セリフのタイミング、
小道具の使い方、セットの配置。
・衣装についての確認。
・秒単位での、位置取りの確認。
上手スポットにIN
0’15 中央スポットに移動
3’24 照明ピンスポット
4’09 地明かりへ切り替え
Kトレーナーだけではなく、メンバーからも細かい点
についての確認・意見が飛び交います。
12月までの練習とは雰囲気がガラリと変わり、
緊張感がみなぎっています。
本番までには、演技や歌唱力の向上に加え、
小道具がもっと充実する予定。
皆さんお楽しみに!!
さて、最後に当日観に来ていただく方に
舞台の楽しみ方をちょっとだけ。
今回の公演では、一つの役を複数のメンバー
が入れ替わり立ち替わり演じます。
このため、観客の皆さんには、同じ役だと
いうことがわかりづらいかもしれません。
「〇〇の役を演じてます」って名札を
下げていればわかりやすいですが、
ちょっと興ざめですよね。
そこで、ひと工夫。同じ役の人は、同じ(ような)衣装
を着て、同じ役を演じているってことを皆さんに
わかってもらえるようにしています。
私も、2年前、始めて「ミュージカル練習会」の公演
を見たとき、恥ずかしながら演目のストーリーを
知らなかったこともあり、さらに出演者が頻繁に変わる
ため、ストーリーが頭に入らずちょっと戸惑いました。
でも、その時、助けとなったのは衣装。同じ衣装は
同じ役の人なんだって気づいた瞬間からは
舞台に入り込めました。そして楽しめました!
そう、衣装が舞台を楽しむポイントです。ここ押さえどころ。
あっ、ファントム(オペラ座の怪人)だけは、
誰が見てもわかります(^_^)
そして、あらかじめ「オペラ座の怪人」のストーリーを
予習されることをお勧めします。舞台を何倍も楽しめますよ。
今回は大人の事情でダイジェスト番になっていますし、
オリジナルには無い、今回の公演独自の演出も
入っていますので、いろいろな「オペラ座の怪人」
の舞台との差を探してみるのも面白いかも。
次回のブログは、いよいよ本番前の最後のブログです。
当日の楽しみ方を中心に紹介したいと思います!
ではまた次回。
あっ、そうそう、先日、生まれて初めてイヤホンからの
音漏れがうるさいと注意されました。気がついたら
ボリュームのメモリがいつもよりも大きくなっていました。
ミュージカル曲の練習に没頭し過ぎていたみたいです。
(同じ車両に乗っていた方、失礼しました。)
皆さんも気をつけましょう!
モア東京ボーカル教室
葛西駅校生徒 Tsune
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