【ボイトレ 歌い方】『Tomorrow never knows』 (Mr.Chirdren/ミスターチルドレン)を上手に歌うコツ!(歌詞の意味もポイント解説)
今回は日本が誇る4人組ロックバンドMr.Chirdrenの6枚目のシングル「Tomorrow never knows」を解説していく。
この楽曲のCDシングルの総売り上げは約276.6万枚。CDシングルとしては歴代8位、Mr.Chirdrenとしては最大のヒット作となっている。作詞作曲を行なっている桜井和寿はプロデューサーの小林武史の助言もあり、3時間でこの楽曲を作曲といわれている。
希望と期待、そして溢れ出る郷愁感。様々な気持ちを胸に抱えながらも明日に向かって前を向く気持ちにさせてくれるメロディ、歌詞、アレンジに注目をして楽曲を聴いて欲しい。
『歌詞の考察』
楽曲のタイトルは「Tomorrow never knows」/日本語訳は「明日は知れず」
歌詞を考察するにあたってまず、楽曲を通して1つのストーリーが出来ている事に注目。
1番では過去、現在の出来事、心情。
2番では現状の整理、明日への期待。
そして、ラストサビで明日への希望を描く構成になっている。
また、アレンジに関しても1番はピアノ伴奏がメインとなっており、コード進行も相まってノスタルジーな雰囲気が演出されている。2番からはリズムが入り、ラストでは転調をして明日に向ける希望の壮大さを表現している。先ずは歌詞全体に目を通してから、歌詞のストーリーを後押しするアレンジにも注目して楽曲を聴いて欲しい。
『メロディとコード・リズムの兼ね合いを検証』
BPMは108。
Key=Cメジャー。
ラストサビではKey=D
Introコード進行
|C G/B|F/A G6|D/F# F|C/E |
|F/A G6|F C/E|Dm C|Bbadd9| |
|F△7 G/F|Em7 F△7|
|F△7 G/F|Em7 F△7|
Tomorrow never knowsといえばこのIntroを外す訳にはいかない。前半9小節と後半4小節に分かれているこのIntroは前半ではテーマ、後半ではAメロへの展開を示唆している。
前半のコード進行はオンコードを多用してベース音をなだらかにし、雰囲気に彩りを加えている。ここではノンダイアトニックコードであるD/F#、Bbadd9が使用されている。D/F#はセカンダリードミナントによって生み出されたコード。
通常セカンダリードミナントでは4度上に解決しなければならない(D/F#の場合だとG)が、コード進行を見るとFに進んでいる。セカンダリードミナントによって生み出されたⅡ7またはⅡ(Key=Cの場合D7またはD)は例外としてⅣ(Key=Cの場合F)に進む事がある。多く使われる手法となるので覚えておいて欲しい。
また、Bbadd9はモーダルインターチェンジというコード理論によって生み出されたコードとなる。Key=Cmからの借用となる為ここだけ雰囲気が変わる感覚を感じて欲しい。
後半4小節ではAメロと同じコード進行を先に提示してイントロからAメロへの展開を柔らかく繋げている。ここでもオンコードを使用しているが注目したいのはコード展開の幅の狭さ。ベース音だけを見てみるとF-F-E-Fと2音のみで構成。ドラマチックな展開ほど様々なコードを使い雰囲気を鮮やかなものにしているが、ここではあえて展開を狭める事で落ち着いた雰囲気を作り出している。この後半のセクションがある事により、前半introそしてAメロをしっかり聴かせる事が出来る非常に秀逸な4小節となっている。
Aメロコード進行
|F△7 G/F|Em7 F△7|
|F△7 G/F|Am7 C/G|
|F△7 G/F|Em7 F△7|
|F△7 G|Am7 |
Aメロでは先述のintroと同じコード進行にAm7を加えて展開に変化を作り出している。7小節目ではしっかりと次の展開に繋がるようG/FだったものがGとなっている点に注目。
メロディラインとしては、上昇-下降-上昇のシンプルながらも非常に美しいモチーフ。1〜3小節、5〜7小節はほぼ同じラインとなるが4小節目では次に繋がるライン、8小節目では解決するラインとなっている。
リズムとしてはシンコペーションを多用している点に注目。
リズムの強拍の位置がズレるのでしっかりと意識をして歌唱をしたい。シンコペーションの位置は下記譜面を参考にして欲しい。また、1.3.5.7の奇数小節での頭の8分休符にも注意をしたい。しっかりと8分音符の長さを休む事が出来ないとハシッてしまい、焦っているように聴こえてしまう。Aメロのカッコよさはこの8分休符が握っているので意識しよう。

Bメロコード進行
|F△7 |G/F |Em7 |Am7 |
|Dm7 |C/E |F |F/G G |
Bメロでは前半4小節でⅣ-Ⅴ-Ⅲm-Ⅵmの王道進行、後半4小節ではⅡm-Ⅰ/Ⅲ-Ⅳ-Ⅳ/Ⅴ-Ⅴの定番の上昇進行となっている。上昇進行では王道はⅡm-Ⅲm-Ⅳ-ⅤとなるがⅢmであるEmの代わりにC/Eを使用。また、Gに向かう前に一度F/Gを挟むことによりサビへの期待感を増している点にも注目。
メロディラインとしては、1〜2小節目のコールに対し3〜4小節でレスポンスをし、5小節目からは上昇進行に沿うようにサビへ向かうメロディとなっている。コール&レスポンスというとLiveなどでアーティストが観客と掛け合いをする事が頭に浮かぶと思うが、楽曲の構成としてもよく用いる事があるので覚えておこう。メロディラインがどの様にコール&レスポンスをしているかが分かるようになると作曲、アレンジの意図が見えるようになるので、より音楽的に歌唱が出来るようになる。
リズムとしては、1〜2小節目ではアウフタクトでメロディラインが始まっている点に注目。
フレーズの歌い回しが前の小節から始まるのでノリに注意をして歌唱をしたい。また、Aメロと同様に全体的にシンコペーションが多く使用されているので8分、16分をしっかりと使い分けてリズムを感じて欲しい。後半4小節目からはAメロと同様のリズムとなっている。こちらも頭の8分休符が重要となるので注意をして欲しい。

サビコード進行
|C F△7 |G E7/G# |Am F|G E7 |
|C F△7 |G E7/G# |Am F|D7 |
|F |G/F |F |G |
サビではコードがⅠであるCから始まり、雰囲気を明るくしている。ノンダイアトニックとしては、セカンダリードミナントであるE7/G#、E7、D7の3つ。E7/G#は次のAmに向けてベース音を半音で上昇させる為にG#をベースにしているのてコードの機能としてはE7として考えてしまって構わない。だが、E7/G#はしっかりと4度上であるAmに解決をしているのに対し、E7の次のコードはCとルールから外れてしまっている。こちらも先述のDと同様の例外となる為、Keyのディグリーネームと合わせて覚えておけるとアナライズの際に迷わなくなるのでパターンを覚えておきたい。
メロディラインとしては、上昇と下降のラインを跳躍で結ぶ難しいラインとなっている。
ピッチが上がり切らない、下がり切らないに注意をして歌唱に臨んで欲しい。また、構成の仕方としてはAメロに酷似しており、1〜3、5〜7小節はほぼ同じラインで4と8小節目に変化をつけている。Aメロではセクションを切り替える為にメロディラインが解決していたが、サビではもう1展開のモチーフがある為解決し切らないラインになってる点にも注目をして欲しい。9小節目からは同じ音を連続で使用し、期待感を煽るようなラインの作りとなっている。そして最後にここで初めてメロディがKeyの主音であるCに解決をし希望に向かうような展開。
リズムとしては非常にユニークな作りとなっていて、始まりで16分音符を使用して疾走感を溢れるサビになると思いきや、その後からは8分、4分がメインとなり期待感はあるが、地に足がついたリズムを作り出している。歌唱の際には最初の16分音符の勢いですすんて進んでしまうとハシリ易くなってしまう為、しっかりブレーキが掛けれるように注意。また、サビでもシンコペーションを多く使用している為こちらも前述同様意識をして欲しい。

Dメロコード進行
|F |G/F |F |G/F |
|F |G/F |F |G |G |G A|
Dメロではサビの最後にあった期待感煽るメロディを連続させ最後のてんちよ転調サビに向かっている。8小節目からのGではギターのフレーズが規則正しく上昇し綺麗に転調に向かっている点に注目。ここのラインをしっかりと押さえる事が出来ると転調後のピッチが安定し易くなる為ギターのフレーズを覚えておけると転調が非常に楽になる。

いかがだっただろうか?
J-popsを語る上でMr.Chirdren、そしてこの「Tomorrow never knows」は外せない楽曲。この楽曲が大ヒットを記録した要因は何処にあるのか等、人気の秘訣を探るほど歌唱の際のヒントになるので是非細かいところまでアナライズをして歌唱に臨んで欲しい。
【声について】
1曲を通して輝きのある響き「トゥワング」をキープしましょう。基本的に喉頭は高めにセットしますが、仮声帯の圧迫を伴わないように十分注意してください。特に高音は息で押しすぎないよう体の支えをしっかり使って歌ってください。









