【ミュージカル曲コラム】『メイビー(Maybe)』アニー/Annie 歌い方・歌 上達法
【曲名】メイビー(Maybe)
【演目】アニー(Annie)
【演目について】
アニーは、ハロルド・グレイの新聞連載漫画『小さな孤児アニー(Little Orphan Annie)を原作として製作されたブロードウェイ・ミュージカル。
当初、原作者のハロルド・グレイは、大恐慌にあえぐ労働者階級の姿を捉えた風刺漫画を描く予定だったが、直前で構想を変更。ほとんどの漫画が少年を主人公にしていた当時、11歳の孤児の女の子を主人公にしたこの物語は大きな反響を呼び、新聞連載は50年以上も継続された。作曲チャールズ・ストラウス、作詞マーティン・チャーニン、脚本はトーマス・ミーハンが担当。日本では1978年に初めて上演され、1986年4月に日本テレビ主催による公演がスタートし、総上演回数は1,900回となり、総観客数183万を超える大人気ミュージカル作品。
【曲について】
1幕でアニーがソロで歌う最初の曲です。夜中に母親が恋しくて目がさめたモリーに、アニーは両親からの手紙を読んで聞かせ、優しく励ましているシーンです。自分の両親が「Maybe(たぶん)」こんな姿だろうという想像を重ねていく歌詞は、アニーの両親を強く想う気持ちや、きっといつか迎えに来てくれると信じる健気な姿が、伝わってきます。
また、アニーの前向きな性格、希望を捨てない真っ直ぐな心が表現され、そんな彼女が仲間たちを支え、慕われている様子も描かれています。
【歌唱のポイント・アプローチ】
夜中のシーンのため、伴奏も音が少なく静かな音楽ではじまります。すっと、明るい澄んだ声で歌い始めたいです。また、モリーを元気づけているのですから、アニー役らしい前向きな明るい声で歌いたいですね。
後半にふと我に返り「♪あたしを捨てたのは」と感情が切り替わる場面も、大切に歌いたいポイントです。アニーの本心が見え隠れしますが、あまりセンチメンタルになりすぎないように注意しましょう。