ミュージカルコラム

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第3回 ミュージカル映画と黄金期への布石~ミュージカル史~

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1920年代に『ショーボート』が登場して以降、ミュージカルはさらに進化を遂げます。舞台だけでなく、ハリウッド映画と結びつくことで、その存在は世界規模へと広がっていきました。


ハリウッドとミュージカル映画

 

1929年10月24日、ウォール街を突如襲った株価大暴落。「暗黒の木曜日」を皮切りに世界は大恐慌に陥り、アメリカの経済も一時低迷します。興行師達は収益が上がらなく破滅的な状況となり、ニューヨークの劇場の多くは閉鎖を余儀なくされました。舞台のスター役者たちは、魅力的な契約条件に釣られて、新しいメディア(ハリウッド)へと足を踏み入れます。

 

1933年に公開された映画『42nd Street』はその代表例で、後に舞台でも繰り返し上演される人気作となりました。1939年の『オズの魔法使い』は、今なお世界中で愛される名作。「虹の彼方に」はミュージカルを代表するスタンダードナンバーとなっています。


戦争と新時代への扉

 

1939年から始まった第二次世界大戦は、エンターテインメントの世界にも影を落とし、戦争を背景にした作品が発表され始めます。

 

そんな中、1943年に初演された『オクラホマ!』、ロジャース&ハマースタインによるこの作品は、物語と音楽、ダンスが一体となった「ブック・ミュージカル」という新しい形式を確立し、ブロードウェイの黄金時代の幕開けとなりました。

 

この時期は、ミュージカルが娯楽から芸術へと進化する分岐点だったのです。


第1回 ミュージカルとは何か?その起源をたどる~ミュージカル史~

 

第2回 アメリカ上陸とブロードウェイの誕生~ミュージカル史~

 

 

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