【ボイトレ 歌い方】『フレンズ』 (レベッカ)を上手に歌うコツ!(歌詞の意味もポイント解説)
今回は日本のロックバンド「レベッカ」の大ヒット曲「フレンズ」を解説していく。
この楽曲は1985年にレベッカの4枚目のシングルとして発売された。疾走感のある8ビートにシンセサイザーを用いるニューウェーブやロックの要素を取り入れたこの楽曲は、日本テレビ系ドラマ「ハーフポテトな俺たち」のエンディングテーマとして起用され、当時としては異例のミリオンセラーを達成。
ニューウェーブとは1970年代末から1980年代に発足したジャンル。定義としては非常に幅広く、主に電子楽器(シンセサイザー)を用いるエレクトロニクスやファンク、レゲエとロックの融合とされている。また、Vo.NOKKOのセルフカバーを初めとし、様々なアーティストにカバーされている。まさに世代を超え愛されている名曲。
『歌詞の考察』
作詞をしているVo.NOKKOはこの楽曲を中学3年生の時に初めて出来たボーイフレンド(ファーストキスの相手)の歌と述べている。初々しい恋愛と切ない別れ、もう二度と友達の頃の様には戻れない悲しみを描いた歌詞となっている。
また、タイトルが「フレンド(友達)」ではなく「フレンズ(友達同士)」になっている点にも注目をしたい。「友達同士」というキーワードを踏まえて改めて歌詞を読んで情景や言葉の深みの変化を感じて欲しい。
『メロディとリズム・コードの兼ね合いを検証』
BPMは156。KeyはEm。
Aメロコード進行
|Em |Em |D |D |
|Em |Em |G |B |
|Em |Em |D |D |
|C△7 |C△7 |G |B |
コードは進行はシンプルな8小節の循環コードとなっている。循環コードとは4小節や8小節単位で繰り返しが出来るコード進行の事。
基本ダイアトニックコードで構成されているが、8小節と16小節ではEmへの解決感を強くする為セカンダリードミナントによるBコードを使用している。また、13、14小節目ではEmからC△7にコードを変更し流れを少し変化させている。
メロディラインとしては8小節の循環コードの中で4小節のモチーフを使用し、前半と後半でコール&レスポンスが行われている。前半のコール部分ではメロディラインを下げて落ち着かせ、後半ではメロディを上げて盛り上げるようにレスポンスをしている。また、基本Emスケールの中でコードトーンを中心にメロディが構成されているが時折コードに対する9thの音で伸びている点にも注目。コードトーンでは無いテンションの音が入る事によりメロディラインが少しフワッとし、アンニュイな雰囲気を作り出している。
リズムとしては裏拍からタイを使用して伸びのあるリズムとなっている。シンコペーションと言っても良いのだが、シンコペーションの定義として、弱拍と強拍を入れ替える事を指す。楽曲を聴いてみると8ビートの強いリズムの上で柔らかく伸びやかに歌唱をしている為、この場合シンコペーションと考えない方がノリを掴みやすくなる。裏拍をしっかりと意識しながら歌唱に臨んで欲しい。

Bメロコード進行
|Am |Am |Em |Em |
|G |G |A |B |
BメロはⅡmから始まり期待感を煽るセクションとなっている。8小節目BコードはAメロと同様セカンダリードミナントでの使用となるが、ここで注目したいのは7小節目のAコード。ここでのAコードはセカンダリードミナントではなくBコードに向かう為のモーダルインターチェンジと考えるとコード進行の流れが美しくなる。5小節目からKey=Bとして考え、モーダルインターチェンジによってGとAをKey=Bmから借用していると考えると解釈がし易い。実際のKeyはEmのままだが、部分転調と考えても良いだろう。
メロディラインとしては前半と後半で2つのモチーフを使用し、サビに繋げている。2つとも非常にシンプルなモチーフだが、変化のさせ方が非常に秀逸で、とても綺麗にサビに向かっている。
リズムとしては、Aメロと同様に裏拍をしっかりと感じる事が出来るかが重要となってくる。フレーズの全てが裏から始まる為、頭拍をしっかりとカウントしたい。だが、カウントを意識するあまりリズムが固くならない様に注目をして欲しい。

サビコード進行
|C |C |G |G |
|D |D |Em | D|
|C |C |G |G |
|D |D |C |C |
サビではメジャーコードを中心に構成し、サビで開ける雰囲気やキャッチーさを作り出している。7小節目ではしっかりとEmに解決しマイナーキーとしての調性を保っているのも重要なポイント。また、15小節目ではⅣにあたるCに向かう事で解決感をぼやけさせている。「時が止まる気がした」という歌詞の後に解決し切らないCコードを使う事で雰囲気をボヤけさせ、歌詞の世界観を後押しする非常に秀逸な作りだ。
メロディラインとしては4小節でワンフレーズの2つのモチーフがとても美しくコール&レスポンスしている。前半のモチーフでは楽曲の内での最高音を使いしっかりとサビの盛り上がりを出しているが、注目したいのは後半のモチーフ。前半とは対照的に音階を下げ、同じ音の連続で無機質さ、16分音符で軽やかさ、最後に2分音符で柔らかさを出す事により後半4小節で切ない雰囲気を作り出している。前半の勢いと後半の切なさが相まって、非常にキャッチーなサビとなっている。
リズムとしてはAメロ、Bメロと打って変わって拍頭からメロディが始まる事が多くなる。裏拍中心だったメロディがサビで表拍中心になる事でリズムが際立ち、サビ感が増しているのも非常に重要なポイントだ。ドラムの8ビートをしっかりと感じ、勢いよく歌い上げて欲しい。

いかがだっただろうか?
楽曲全体を通して聴いているととてもシンプルに聴こえてくるが、実は細かい所で美しく高度なテクニックが散りばめられている。細かいテクニックに気づけると本来楽曲が作り出したい世界観が明確になるので、歌唱や演奏をする際にただ音を出すのでは無く、何を表現するかという所に意識を向ける事が出来る。ぜひ細部まで楽曲をアナライズして、表現の幅を増やして欲しい。
【声について】
NOKKOの声は、曲全体を通して非常に抜けが良いのが特徴。その明るく可愛い音色は、喉頭の位置をやや高く保ち、トゥワングの要素を加えることで作られています。歌唱時のポイントは、声に強さを出しても息で押しすぎないこと。そして、喉の力みを抑え、仮声帯を圧迫しないよう注意することで、彼女のようなクリアな響きが生まれます。









