【ボイストレーニング コラム】ミックスボイス 「ひっくり返らないで、強く歌うには」
Q. 地声で歌っていて、高くなった時に、ひっくり返らないで、強く歌うには?
A. ミックスボイスで歌いましょう。
いわゆる地声と裏声の切り替わり地点である、「換声点」を、無くしていく事で、一つの繋がった声が手に入ります。
その声が、「ミックスボイス」と言われる声です。
ここで大事なことは、「低中音域から、ミックスボイスで歌う!」という事です。
それは、「裏声を混ぜて、柔らかく歌う」という抽象的な事ではなく、【声帯の振動パターンを、音程の高低によって、スムーズに変えていく】という事です。
低い声を出す時にも声帯を伸長させる事で、柔軟性のある、響きの豊かな低中音域を手に入れる事が出来ます。
中高音域に向かって、音程が上がっていくと、、ほとんどの人は、声帯が入っている「喉頭」を上げていってしまいます。
そうすると、声帯が詰まっていき、文字通り「喉が絞まった」発声になってしまいます。
喉頭を上げずに、声帯の振動パターンを小さくしていく事で、音色を変えずに、音程を、無段階に切り替える事が出来ます。
この時、声帯を厚めに、小さく振動させるとチェストの響きを持ったミックスボイスに。
声帯を薄めに、長めに振動させるとヘッドの響きを持ったミックスボイスになります。
そのミックスボイスのバランスをとるのに最適なエクササイズが、「リップロール」「タングトリル」です。
声を出す為の、最低限の息の量の把握や、音色を決めている、声帯にかかっている息の圧力を一定にコントロールする事、必要な筋肉群のトレーニング、リラックス、等を目的としてエクササイズすると、声帯のコントロールを、飛躍的に向上させることが出来ます。
ロック、ポップスにおいて、「正しい歌い方」というのは存在しません!!
楽曲によって、アーティストによって、求める声は違って良いと思います。
ただ、発声のメカニズムは、明らかに存在しており、その理論は、未だ進化しています。
この「ミックスボイス」も、その一つであり、うまく歌える人の秘密でもあります。