【「リフレクション(Reflection)」(ミュージカル曲)を上手く歌いたい!】ムーラン(MuLAN)歌い方・歌唱法・ミュージカル曲解説
【曲目】リフレクション(Reflection)
【演目】ムーラン(MuLAN)
【演目について】
「ムーラン」は1998年に公開されたディズニーの長編アニメーション作品の1つであり、初めてアジア人のディズニープリンセスが誕生した作品です。中国の伝説、花木蘭(ファ・ムーラン)がモデル。
舞台は古代中国、ファ家の一人娘ムーランは、古いしきたりに縛られない自由な心を持ち、家のために結婚する伝統的な生き方に納得できず悩んでいました。年老いた父の徴兵を知ったムーランは、自分の可能性を信じ、髪を切り男の恰好をして父の代わりに戦地に赴きます。悪戦苦闘しながらも、持ち前の誠実さと勇気、そして努力で、いつしか仲間から信頼を得て、最後には、優れた分析力と知恵をもって、国を救う伝説の戦士となるという物語です。
恋愛の要素もあり、冒頭でお見合いを台無しにするシーンがありますが、最後は自分にピッタリの男性を見つけます。ムーランを支えるコミカルなキャラクター「ムーシュー」をエディ・マーフィーが演じ、曲中歌「リフレクション」を、主題歌としてクリスティーナ・アギレラが歌ったことなどが、発表当時注目されました。
また、女性が古い慣習や周りの考えに囚われず、自分らしく生きる姿を描いたことも、作品の評価を高くし、アニー賞(アニメーション界のアカデミー賞)作品賞を受賞しています。
【曲について】
冒頭のお見合いを台無しにしてしまったシーンの直後に歌われる曲です。
中国には「女性の役割は良き妻になり家を守ること」という古くから伝わるしきたりがあり、良い縁談を組むことは本人だけでなく、一家の名誉にも関わる責任重大なことであるという物語の背景をおさえて楽曲の理解を深めましょう。ムーランは、家族想いの優しい女の子です。両親をガッカリさせてしまったことに心を傷めつつ、自分の本当の気持ちをこの曲にのせて歌っています。
“reflection”という単語には色々な意味がありますが、ここでは水に映った自分の姿をみて、本当の自分を映すのはいつなのかと歌っていますから、「投影」が1番適切かと思われますが、「内省」の意味もあるので、タイトルから曲の根幹をとらえることもできますね。メロディライン以外にもぜひ耳をすませてください。中国の伝統的な楽器の箏や二胡のような音がところどころ入り、約2分という短い楽曲ですが、ムーランの世界観を創っています。
【歌唱のポイント・アプローチ】
冒頭は「だめね」とつぶやきからはじまり、「わかる」と気持ちが変わって行く様子を音色やボリュームで繊細に表現しましょう。
「水にうつる」からは曲調が変わります。8カウントを2回ずつで、フレーズを大きく横に感じるとよいでしょう。特に、「水に映る」と「隠せないわ」の装飾音符部分は、丁寧に音を取り、はじめは正しい音でゆっくり練習してください。楽曲の速さにもどしたときにも、1つ1つの音がわかるように歌いたいです。歌いあげたあとは、音楽も落ち着いていきます。「いつのひか」へ思いをはせるように綺麗にスッと消えるように完結させましょう。