「with you」『GHOST』(ミュージカル曲)を上手く歌いたい!】歌い方
【演目について】
1990年に公開され、アカデミー脚本賞を受賞した人気映画「GOHST/ニューヨークの幻」が原作のミュージカル。
アメリカ映画が原作であるが、初演されたのは2011年の英・マンチェスターの劇場だった。その後に、英・ウェストエンド、米・ブロードウェイと世界的に人気を拡げていった。
作品としては、ゴーストになってしまったサムと恋人モリーの恋愛がテーマだが、そのほかにもコメディやファンタジー的な要素がちりばめられている。
日本では、2018年にシアタークリエにて初演、2021年に同劇場にて再演予定。
主演サムを演じるのは、初演再演ともに浦井健治氏。
【曲について】
「with you」は、一幕中盤に主人公サムの恋人モリーによって歌われる。
モリーとサムはNYの道すがら、銃を持った強盗に襲われ、モリーの目の前でサムは殺されてしまう。その後、サムは成仏できずに魂だけの存在「ゴースト」になるのだが、モリーには見えていない。
最愛の恋人を無くしたモリーは、茫然自失。サムのいなくなった空っぽの部屋で、「with you」を歌う。切ないメロディが印象的で、昇華されないサムへの愛を歌ったナンバー。
【歌唱のポイント】
「目の前で最愛の人を殺されてしまった」という設定なので、そこの想像をしっかり働かせてから歌いださないと、薄い表現になります。おそらく、その設定を自分に落とし込むことができれば、おのずと前半は小さい声量で始まると思います。前半からサビにかけてはウィスパーボイス(息量の多い、ささやくような声)を織り交ぜて歌うと曲のイメージが伝わりやすくなるでしょう。ロングトーンで伸ばすフレーズが多いので、ブレス時にしっかり横隔膜を意識して息を吸って、息を確保しましょう。
本コラムは、初めてミュージカル曲を歌ってみたい
という方のためのミュージカル曲解説となります。