【ミュージカル曲コラム】『All The Love I Have』/ザ・ビューティフル・ゲーム「The Beautiful Game 」歌い方・歌 上達法
【曲目】All The Love I Have
【演目】『ザ・ビューティフル・ゲーム』 /The Beautiful Game
【演目について】
『オペラ座の怪人』『キャッツ』『エビータ』などのミュージカル作曲で知られるアンドリュー・ロイド=ウェバーと、『We will Rock You』を手掛けた作家ベン・エルトンによって誕生した。
1960 年代のアイルランドを舞台に、サッカーに青春をかける少年たちが、カトリックとプロテスタントの熾烈な争いに巻き込まれて行く姿を描く、アイルランド共和軍(IRA)の実話をもとにした名作ミュージカル。
不条理な混乱の中に否応なく放り込まれた人間が何を信じて生きるのかを、あまりにも悲しすぎる犠牲を伴いながら、見出していく運命のミュージカルである。ドキュメンタリー番組に胸を打たれたエルトンが書き上げた同作は、2000年9月からロンドンのケンブリッジ劇場で上演、2001 年には、ローレンス・オリヴィエ賞ミュージカル部門・優秀新作賞ほか、主演男優賞、主演女優賞、振付家賞の4部門にノミネートされた。日本では2006年にジョーイ・マクニーリー演出、櫻井翔主演によって初演。2014年にも上演されている。
【曲について】
主役のジョンとヒロイン役メアリーの結婚式のシーンと、その後の過酷な運命を迎えた後物語のラストシーンに歌われるデュエット曲。
結婚式のシーンは、ミュージカルの中でも幸せなラブシーン。しかしながら、サッカー選手として輝く未来を手にするはずだったジョンはIRA戦士の親友を助けたことにより投獄されてしまいます。刑務所のなかでの生活により暗闇に落ち自分を見失い、自身もIRAの兵士となります。釈放が決まっても、メアリーに伝えずそのまま闘いに行こうとするジョン。そんなジョンをメアリーは迎えに行きますが…、運命は変わりません。そのとき、もう一度この曲が歌われます。シーンによって曲の存在意義が全く異なる1曲です。
【歌唱のポイント・アプローチ】
シンプルなメロディラインですが、何度も繰り返されます。正しい音程を確実にとりましょう。曲が単調にならないようにするために、歌詞の意味に沿って色々な声音や強弱で表現したいです。さらに、小さな声で歌うところも、息のもれた弱い声にはなりたくありません。1音ずつ丁寧に練習してから、メロディをつなげてみてください。思いを吐露する内容の歌詞を、表情豊かに、感情を声にのせて歌いましょう。