ボイストレーニングコラム

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【ボイストレーニング コラム】音痴克服法(音痴解消法) その2 自分の声の秘密を知ろう!

今まで、自分の声を録音して聴いてみたことがありますか?
「Yes」と答えた方は、レコーダーから聴こえる自身の声に【違和感】を覚えた経験があるのではないでしょうか。

 

その【違和感】の正体は…、【骨伝導】と【内耳】
私たちが喋るとき、声(音)を出します。その声(音)は、喉の奥にある【声帯】という器官によって作られます。【声帯】は、息を声(音)に変える役割の器官です。
人の【声(音)】は、口から外に出る時に、骨を伝って【内耳】という器官にも響きます。この「声(音)が骨を伝わる現象」のことを【骨伝導】と呼びます。

 

私たちは、毎日の生活のなかで、
(1)口や鼻から出た声(音)を耳の外側(外耳)で聞く音
(2)【骨伝導】による【内耳】の音
この2つの音をミックスしたものを自分の声として認識しています。
そのため、普段聴いている自分の声よりも、録音した声の方が【軽く】【細く】感じます。【違和感】の背景には、こうした理由が明確に存在します。普段喋っている声と録音した声が異なるのは、自分の声だけ。誰か他の人が喋っている声を録音しても、大した変化はないはずです。

 

面白いですよね。そして、このシステムには、メリットとデメリットがあります。

 

メリットとしてはまず、自分の声が【強く聴こえる】ということ。
ステージに立つアーティストが、自分の耳を片方ふさぎながら歌うのを目にしたことがありませんか?パフォーマンス的な要素もあるかもしれませんが、実は周りの音がうるさくて自分の声が聴きづらいため、内耳を通して自分の声を確認しようとしているのです。例えるなら、【自分専用のモニター】といった感じでしょうか。

 

デメリットは、メリットと同じで、自分の声が【強く聴こえる】ということ。
歌唱時、身体の内圧は上り、耳は聞こえづらくなります。バンドやオケなど外の音が聴きづらくなった結果、自分の声(内耳の音)だけにフォーカスしてしまうと、ピッチがズレたり、リズムが取りづらくなってしまいます。歌唱時には、外側の耳【外耳】を使って、自分の声を【周りの音と同じように聴く】ことが大切です。リズムや音程のズレはもちろんですが、音の音色(トーン)やニュアンスまでを【外耳】で聴くことが出来るようになれば、もっとハッキリと【音が見える】ようになる筈です。

 

歌をうたう時に大切なことは、「音程をしっかり取る」ということ

 

一般的に、うまく音程が取れない状態を【音痴】といいますが、ひと口に音痴と言ってもその悩みはさまざま。【音痴】の例をあげていきますので、自身でチェックしてみましょう。

 

1. 音程は分かっているけれど、声に出すことができない。
自分の頭の中には正確なメロディが流れているのに、いざ歌おうとすると何だか違う気がする。「音が外れているのは分かるのだけど、果たして自分が出している声が、高いのか?低いのか?それが分からない」音痴に悩む方からは、こうした意見を耳にすることがあります。この状態は【運動性音痴】と呼ばれ、声を出す器官である【声帯】を十分に使えていないことが主な原因です。
誰かと話している時の声なら音域が合うのですが、その音域を外れる(高くなったり、低くなったりする)と、急に音程が分からなくなってしまう傾向があります。歌い慣れて良く知っている曲なら上手く歌えるのに、新しい曲になると急に下手になってしまう…。そんな経験がある方も、【運動性音痴】の可能性があります。

 

2. 最初の方は上手く歌えるのに、歌っているうちにだんだんと音程がズレてしまう。
仲間と行ったカラオケで、「いよいよ自分の番」という時。気持ち良くスタートしたのはいいけれど、中盤にさしかかると何となく違和感が(汗)。盛り上がるべき【サビ】の部分も見事に外してしまい、周りもザワザワ…(汗)。「マズい!」と思いながらもなかなか修正できずに、一番を歌い終わるとすっかり戦意喪失…。こんな経験、ありませんか?これは【運動性音痴】のリズム・バージョンで、【リズム音痴】とも呼ばれます。

 

【リズム音痴】の問題点は、メロディをリズムとして捉えていないこと。
すべての曲には【ビート(拍子)】と呼ばれる要素がありますが、このビート(テンポ)感の上にリズム(自分のメロディ)が乗っていると考えるとイメージしやすいかも知れません。
ビートとメロディは完全に一致する点を持ちます。音楽用語で言うところの【縦のライン】と呼ばれるもので、例えるならば、手を繋いで、横一列になって歩いて行く感じです。つまりビートは、歩幅を均等にして、一歩ずつ、しっかりと足跡をつけて歩くようなもの。【リズム音痴】の方たちは、手も繋がず、目をつぶったまま歩いている、というわけです。これでは、最初は大丈夫でも、やがて方向や歩幅が合わなくなってしまいます。
リズムは音楽の根底にあるもので、音楽を構成する上でいちばん大切な要素と言っても過言ではありません。しっかりと【リズムが見える】ようになれば、自然と、自分の歌が楽曲とマッチするようになるのです。

 

【運動性音痴】であっても、【リズム音痴】であっても、はたまた両者が絡み合った【複合型音痴】であっても。これからしっかりボイストレーニング(ボイトレ・ボーカルレッスン)を行えば、必ず悩みが改善していきます。音痴を克服してカラオケ上達を目指しましょう。

 

その他:ワンポイントアドバイス

 

耳ノート:その時に聞こえる音を5つ、5分間ノートにつけてみましょう。
これを毎日行うと自然に、耳へ音の収音が良くなる感覚を持ちます。結果、音程が良くなる傾向になります。

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