ボイストレーニングコラム2

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第1回:忘年会カラオケを楽しむための心構えと準備~忘年会カラオケ攻略~

年末が近づくと、仕事仲間や友人との忘年会が増えてきます。

 

数年ぶりにリアルでの飲み会に参加する方も多いのではないでしょうか。そして、忘年会の定番といえばカラオケ。普段はボイストレーニングで歌っている方でも、「いざ宴会の場になるとマイクが回ってくるのが憂鬱」「接待で無理やり歌わされるのが苦手」と感じるケースは少なくありません。

 

本連載では「忘年会カラオケをどう乗り切り、どう楽しむか」をテーマに、専門的な視点から攻略法を解説します。第1回では、心構えと準備についてお話しします。


■カラオケは「競技」ではなく「交流の場」

 

まず大前提として、忘年会カラオケは歌唱力を競う場ではありません。完璧に歌い上げる必要はなく、聴き手に「楽しかった」「いい雰囲気だった」と思ってもらえれば十分です。

 

実際、宴席では「高音が外れた」「リズムが少しずれた」といった細かい部分を気にして聴いている人はほとんどいません。それよりも、「楽しそうに歌っている」「場を盛り上げてくれている」といった印象が強く残ります。つまり、自分が楽しむ姿勢を見せることこそが一番の成功の秘訣なのです。


■盛り上げ曲と勝負曲を用意する

 

忘年会カラオケを攻略する上で大切なのは「曲の使い分け」です。

 

• 盛り上げ曲:誰もが知っていて、サビで自然に手拍子や合いの手が入る曲。アップテンポで明るいナンバーが理想です。会場の空気を一気に温める役割を果たします。

 

• 勝負曲:“ここぞ”という場面で披露する、自分の声が映える曲。バラードやミドルテンポでじっくり聴かせるタイプの曲がおすすめです。

 

最初は盛り上げ曲で「一緒に楽しむ」空気を作り、その後に勝負曲で「おっ、この人歌える!」と思わせる。この二段構えを意識するだけで、印象は大きく変わります。


■「声の魅力」が評価される時代

 

歌のうまさ以上に大切なのが「声そのものの印象」です。私たちは普段のレッスンで発声や響きを磨いていますが、それは歌唱時だけでなく日常会話にも現れます。

 

実際に「声がいい人はモテる」とよく言われます。電話や会話を通じて、落ち着いた声・柔らかい声は相手に安心感を与えるのです。忘年会のカラオケでも、歌唱力より「声の響きが心地よい」と思ってもらえることが何よりの武器になります。ボイストレーニングを続けてきた生徒さんにとって、これは大きなアドバンテージです。


■準備のチェックリスト

 

忘年会前には、以下の準備をしておくと安心です。

 

1. 歌える曲を3〜5曲リストアップ
盛り上げ用と聴かせる用をバランスよく揃えておく。

 

2. 実際に歌ってみる
可能ならカラオケアプリやYouTube伴奏を使って、音源に合わせて練習。

 

3. 録音して聴き直す
自分の声を客観的に確認すると「声量が足りない」「テンポが走る」といった課題に気づきやすい。

 

4. 歌詞をざっくり覚える
歌詞を見ながらではなく、口が自然に動くくらいまで練習しておくと安心。

 

5. 体のコンディションを整える
当日は軽くストレッチをして呼吸を整えると声が出やすい。

 

この準備をしておけば、「マイクが回ってきても怖くない」という余裕が生まれます。


■憂鬱を楽しみに変える視点

 

「歌わされるのが嫌だ」と思うと余計に緊張しますが、「せっかくだから自分の歌を聴いてもらえる機会」と考えると気持ちが楽になります。実際、普段ボイストレーニングをしていない人からすると、「声がよく通る」「リズムが安定している」だけでも十分に「上手い人」という印象になるものです。


■まとめ

 

忘年会カラオケは「楽しむ場」であり、「自分をアピールできる場」でもあります。

 

• カラオケは競技ではなく交流の場
• 盛り上げ曲と勝負曲を用意して使い分ける
• 声の魅力は大きな武器になる
• 準備のチェックリストで安心感を持つ

 

これらを意識するだけで、不安は和らぎ、自信を持って歌えるようになります。

 

次回は「自分に合ったキーを見つける方法」を詳しく解説します。歌を魅力的に聴かせるためには、原曲にこだわらず、自分に合った高さを探すことが何より大切です。


第2回:自分に合ったキーを見つける方法~忘年会カラオケ攻略~

 

第3回:声キャラクターと曲選びの工夫~忘年会カラオケ攻略~

 

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