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【第2回】「裏声が弱い…」とは:息漏れなのか、薄さなのか

「裏声を出したいのに弱い」「裏声が安定しない」。この悩みはとても多いですが、最初にやるべきことはシンプルです。それは、弱さがどこにあるかを分けて考えることです。ここが分かると、練習の方向がはっきりします。


1) 「弱い」を2種類に分けてみます

 

裏声が弱いと感じるとき、代表的には次の2つに分けて考えられます。

  • A:息が漏れて弱くなっている(ファルセットの状態が強い)
  • B:息漏れというより、薄く聞こえる/安定が足りない(作り方の調整が必要)

言い換えると、Aは「状態の問題」、Bは「聞こえ方や作り方の問題」です。


2) A:息漏れが強いときに、やってはいけない方向

 

息が漏れている状態で「もっと強く出そう」とすると、息が増えて乾燥し、疲労が大きくなることがあります。ここは要注意としてはっきり語られています。
つまり、息漏れが原因の弱さに対して、力で押し上げるのは解決にならない場合がある、ということです。

 

初心者の方はまず、次のような見方をしてみてください。

  • 声に息が混ざってスーッとした感じが強いか
  • 出した直後に喉が乾く・疲れる感覚が増えていないか
  • 「大きく出すほど、かえってコントロールが崩れる」感じがないか
  • 声が長く続かないか

ここで「息漏れっぽい」と思ったら、まずは強くするより先に、今の声がどういう状態かを落ち着いて観察する方が安全です。


3) B:薄いだけ・安定が足りないときは、別の視点で考えてみよう

 

一方で、息漏れとは違って「薄い」「弱く聞こえる」だけの場合があります。
高い声で「弱く聞こえるものを裏声」と呼びやすいのに対して、「安定して強く聞こえるものをミックスボイスと呼びやすい」という傾向が語られています。ここでのポイントは、ミックスボイスが声の種類というより、**安定させるための作り方**として扱われることです。

 

そして、無理に熱くしようとすると「苦しそうに聞こえる」方向に寄ることがあるため、「苦しそうに聞こえたくないから何かをミックスする」という考え方につながります。ここでも、いきなり出し方を決めるより、いまの自分のバランスがAなのかBなのかを見分けることが先になります。


4) 同じ音でも「状態」は変えられる、という考え方

 

講座内では、同じ音(同じ高さ)でも、作り方によって状態が変わり、結果として音色が変わる、という流れが出てきます。つまり「高くしたからファルセット」「低いから地声」という単純な話ではなく、同じ高さでも息漏れの量や閉じた感じの出方が変わる、という捉え方です。初心者の方がここを知るだけでも、練習が整理されやすくなります。


【第1回】声の名前が多すぎて混乱する人へ:裏声・ファルセット・ヘッドボイス・ミックスボイスの整理

【第2回】「裏声が弱い…」とは:息漏れなのか、薄さなのか

 

【第3回】用語は“イメージワード” ゴールは“自分が歌いたい歌”を唄えるようにこと

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