ミュージカルコラム

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「魔法使いと私」『WiCKED』(ウィキッド)(ミュージカル曲)を上手く歌いたい!】歌い方

【演目について】

児童文学の名作「オズの魔法使い」を翻案とした、スティーヴン・シュワルツ作詞・作曲のブロードウェイミュージカル。舞台の設定は、「オズの魔法使い」に登場する西の魔女が、どうして「悪い魔女」と呼ばれるようになったのか、その背景を描く。大胆な背景設定、色鮮やかな舞台セットやポップな曲調とは裏腹に、「肌の色の違いによる差別意識」、「悪とは、正義と正義が対立したときに生まれる構図」などがテーマに盛り込まれており、アメリカ社会問題への風刺が効いたストーリーとなっている。

作品は2003年にブロードウェイで初演。トニー賞三部門受賞、キャストアルバムはグラミー賞を受賞。日本では劇団四季が2007年に上演。主演のエルファバ役を濱田めぐみ氏が演じる。


【曲について】

物語の序盤、シズ大学(魔法学校)に入学した主人公エルファバは、いち早く学長のマダム・モリブルに魔術の才能を見出される。マダム・モリブルは「将来、オズの魔法使い(エメラルドシティの大賢者)の右腕となれる」とエルファバに告げる。

この曲は、エルファバが尊敬するオズの魔法使いと会うときのことを妄想して、浮き足立つ気持ちを歌った曲。普段は地味で真面目なエルファバがここまで陽気になることは珍しい。肌の色が緑色であるせいで、皆から差別をされ、親からも認めてもらえなかったため、誰かに認められるというのは初めての経験なのだ。

一幕ラストの「自由を求めて」にも出てくる旋律が用いられ、キャッチーで希望に溢れたナンバー。


【歌唱のポイント・アプローチ】

上述の通り、エルファバがここまで「陽」の感情をあらわにするのは珍しいので、どう表現するかをしっかり考えてから歌いましょう。「生まれてはじめて、誰かに認めてもらえた」という興奮や高揚感をもって歌いだせば、良いスタートダッシュを切ることができるでしょう。とはいえ、最初から大声で歌うということではなく、序盤は抑えられない静かな興奮を声に乗せ、中盤から序盤にかけてはだんだんと声量を足していきましょう。


本コラムは、初めてミュージカル曲を歌ってみたい
という方のためのミュージカル曲解説となります。


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