ミュージカルコラム

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【ミュージカル曲コラム】『遠いメロディ/Distant Melody』ピーター・パン/Peter Pan 歌い方・歌 上達法

【曲目】遠いメロディ/Distant Melody
【演目】ピーター・パン/Peter Pan


【演目について】
この作品を生み出したのは、イギリスで小説家、劇作家、童話作家として活躍したジェームス・マシュー・バリー。
彼は手織り職人の父と教育熱心な母のもと、10人きょうだいの9番目の子どもとして1860年スコットランドのキリミュアで誕生しました。彼が6歳の時、一家の期待の星だった兄デイビットを事故で亡くし、「永遠の少年」像はそこから生まれたと言われています。
新聞社に勤めた後、作家を目指しロンドンに移り住んだバリーは、近所のケンジントン公園を散歩中にデイヴィス家の子どもたちと出会います。彼らを楽しませるために作られた話の中に、デイヴィス家三男のピーターが空を飛べるという話があり、これを元に”ピーター・パン”の物語が組み立てられていきます。ピーターだけでなく長男ジョージ(ダーリング氏)、次男ジョン(ダーリング家長男)、四男マイケル(ダーリング家次男)、五男ニコラス(次男のセカンドネーム)、全員の名前が物語に登場しており、彼らの両親が亡くなった後、バリーは彼らを養子にして育てました。
ピーター・パンが初めてバリーの作品に登場したのは、小説「小さな白い鳥」の登場人物の1人として。そのピーター・パンを主役にした戯曲「ピーター・パン あるいは大人になりたがらない少年」がロンドンで上演されたのが1904年。その後、発表された小説「ケンジントン公園のピーター・パン」(1906年)、「ピーター・パンとウェンディ」(1911年)が皆さんがよくご存知の「ピーター・パン」の原型となっています。
本格的なミュージカルとして誕生したのは1954年のブロードウェイ。1955年のトニー賞ではミュージカル主演女優賞、ミュージカル助演男優賞を受賞。日本では1981年に新宿コマ劇場25周年の記念作品として初上演され、日本初の「フライング」がある上演として話題となりました。榊原郁恵さんを筆頭に、5代目・笹本玲奈さん、8代目・高畑充希さんなど、ホリプロを代表する女優陣がピーター・パン演じ、現在も夏の風物詩として日本各地で上演され、世代を問わず愛され続けている作品です。


【曲について】
ロンドンの郊外に住む少女ウェンディは、ある晩、子ども部屋の中で泣いている不思議な少年ピーターパンに出会います。「影がくっついてくれない」と嘆く少年に手際よく影を縫い付け、仲良くなる2人。ピーターが住む〈永遠に子どもでいられる国”ネバーランド”〉に誘われたウェンディは、弟のジョンとマイケルと一緒に、楽しいことを思い浮かべれば空を飛べるという妖精の粉の力でネバーランドへ飛び立ちます(♪I’m Flying♪)
ネバーランドの住人、ピーターの仲間でもある迷子たち(ロストボーイズ)は、お母さんがよそ見をしている間に乳母車から落っこちちゃった子どもたち。女の子は頭が良く乳母車から落っこちないからネバーランドには女の子がいないと話すピーター。お母さんを夢に見ていた迷子たちに「僕たちのお母さんになって!」とお願いされたウェンディは、料理や勉強、お伽話を聞かせるなど甲斐甲斐しく迷子たちのお世話をします。ある夜、寝る支度ができた迷子達に「子守唄を歌って」とお願いされ歌うのがこの曲。心地よい歌声に誘われ眠りにつく迷子たちの横で、ピーターが何かを思い出すように歌に加わり、2人が奏でる美しいハーモニーに誰もが心打たれるシーンです。


【歌唱のポイント】
この歌は子守唄そのものです。3拍子のゆったりした曲調を利用して、お母さんが子どもを寝かしつけるように。前半は低音と高音が交互に出てくるので低音を鳴らしすぎず、リラックスした声で歌ってみましょう。フレーズを長くとり、シンプルで美しいメロディが細切れにならないように気をつけてみて下さい。中々会うことができない、大切な誰かを思い浮かべながら歌うと、よりドラマチックな仕上がりになると思いますよ。


 

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