【第2回 リズムと歌唱】J-POPを支える主要リズム5種類
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現代J-POPはたいへん複雑化しています。ハーモニーの拡張もありますが、とりわけリズムの多様化が著しいです。今回は「日本のポップスを支える主要リズムは5種類」として整理します!
8ビート(Straight Eight)
基準: 8分音符を均等に刻みます
代表曲: あいみょん『マリーゴールド』
特徴: ストレート・フィール(straight feel)です。ロックンロールの伝統から発展し、ほぼすべてのポップスの背骨になります
2ビート(Half Note Feel)
基準: 2分音符単位で展開します
代表曲: モンゴル800『あなたに』
特徴: メロコア、スカ、メタルに頻出します。高速テンポでは (2/2拍子) で譜面化されることも多いです。疾走感と軽快さが魅力になります
4ビート(Swing / Walking Bass)
基準: ジャズのウォーキング・ベースに由来します
代表曲: アラジン『Friend Like Me』
特徴: 表拍を長く、裏拍を短く演奏します
16ビート(Sixteenth Groove)
基準: 16分音符を基盤とします
代表曲: Official髭男dism『Pretender』、藤井風『きらり』
特徴: ブラック・ミュージックに源流があります。裏拍を短くすることで ハネないシャッフル(straight sixteenth with groove) を生みます
ラテンビート(Afro-Cuban / Brazilian)
分類: サンバ(ブラジル)、ソン・モントゥーノ(キューバ)、ソカ(カリブ)などです
代表曲: ザ・ブーム『風になりたい』
特徴: 2拍4拍のアクセントから外れた クロス・リズム(cross rhythm) が多用されます。縦ノリから横ノリへのシフトをもたらします
リズム・リテラシーの必要性
同じ曲でも、8ビートと16ビートをどう「感じる」かで歌唱が変わります。歌手は常に自分がどの拍節構造に乗っているのかを意識しなければならないのです。
次回は、日本人が苦手とされる「裏拍」と、譜面化不能な「グルーヴ」の正体を掘り下げていきます。
【第4回 リズムと歌唱】最新J-POPに見るリズムの進化 事例で検証:King Gnu『白日』
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