バンドボーカルに必要なのは歌唱力だけじゃない|信頼される条件|モア東京ボーカル教室
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🎯 この記事のポイント
プロミュージシャンが「もう一度一緒にやりたい」と思うボーカルは、実は歌が一番上手い人とは限りません。周りの音を聴く力、グルーヴを感じる力、ビジョンを言葉で伝える力。プロミュージシャン4名へのインタビューから、信頼されるバンドボーカルの共通点を紐解きます。
🎼 プロが語るバンドボーカル入門(全11回)
▶ 第9回:バンドボーカルに必要なのは、“歌唱力”だけではない(この記事)
この記事は、プロミュージシャン4名とモア講師のインタビューから生まれた特集の第9回です。特集全体の入口は、こちらの特集トップからご覧いただけます。
今回、モア東京ボーカル教室では、プロの現場で活躍するミュージシャン4名と、モア講師によるインタビューを実施しました。テーマは『バンドアンサンブルとボーカルについて』。
参加したのは、ドラマー・キーボーディスト・ベーシスト・ギタリストという、実際に数千人規模のステージでも活動しているサポートミュージシャンたち。さらにモア側からは、メジャーデビュー経験を持ち、現在はモア東京ボーカル教室だけでなく、音楽大学・専門学校でも指導を行っている講師が参加しました。
前回のコラムでは、「人間らしい歌」というテーマから、シティポップ・昭和歌謡が再評価される理由について掘り下げました。
そして今回、インタビューの中で特に印象的だったのが、「一緒にやりたいボーカルは、歌が上手い人とはちょっと違う」という言葉でした。これは、これからバンドで歌っていきたい方にとって、ちょっと驚きの視点なのかもしれません。
プロが「一緒にやりたい」と思うボーカルの条件
インタビューで、プロミュージシャンの方々に、「もう一度ご一緒したいと思うボーカルは、どんな人ですか?」という質問をしてみたところ、面白いほど答えが揃いました。
- ちゃんと話を聞いてくれる人
- 周りの音を聴ける人
- ビジョンを言葉で伝えてくれる人
歌のテクニックではなく、“ちゃんと聞いて、ちゃんと話せる人”という答えがほとんどだったのが、印象的でした。
「聴く力」は、歌そのものを変えていく
プロの方が、こんなことを話していました。「“聴いてます”って言うんですけど、それ“聞こえている”ではなくて、本当に“聴いている”というレベルがあって」。ちょっと耳の痛い話でもありますが、これはとても本質的な指摘なのだと思います。
聴くというのは、次のような、いくつもの段階を含んでいるそうです。
- 音が鳴っているのを認識する
- そのテンポを身体で感じる
- 他のパートのフレーズの意図を読み取る
- それに反応して、自分の歌を動かす
「聞こえている」と「聴けている」は、似ているようで、まったく違うものなのかもしれません。
ドラム・ベースとの“グルーヴ”を感じる
バンドのリズム隊(ドラム・ベース)は、音楽の土台を作っているパートです。プロの方は、こう表現してくれました。「ドラム・ベースのグルーヴが感じられているボーカルは、本当に演奏していて気持ちがいい」。
ドラムが少し溜めている、ベースが少し前に出ている、そのちょっとした“揺らぎ”を感じ取って、自分の歌をそこに寄せていく。そんなボーカルの歌は、楽器隊にとって、“一緒に音楽している”という実感を、強く感じさせてくれるのだそうです。
“ビジョンを言葉で伝える”ことも、ボーカルの大切な仕事
プロの方が、もうひとつ大切なことを教えてくれました。「ボーカルが“こうしたい”って言ってくれると、楽器隊はすごくやりやすい」。バンドの“看板”であるボーカルが、次のようなことを言葉にできると、楽器隊もそこに合わせて演奏してくれるようになります。
- この曲で何を伝えたいのか
- サビをどんな空気で歌いたいのか
- MCで何を話したいのか
- ライブ全体をどう見せたいのか
音楽用語に詳しくなくて大丈夫。「ここはもうちょっと寂しい感じで」「ここはお客さんと一緒に走りたい」。そんな日常の言葉でも、十分に伝わるのだそうです。
歌唱力に加えて、“聴く力”“会話する力”“ビジョンを言葉にする力”。これらが少しずつ育っていくと、バンドはもっと楽しい場所に変わっていくのだと思います。
「歌が上手くなる」ことだけが、ボーカルの成長ではありません。聴くこと、伝えること、信頼してもらうこと。そのすべてが、これから先のあなたの歌を、もっと豊かなものにしてくれるのかもしれません。
✅ 信頼されるボーカルに近づくヒント
- 「聞こえている」から一歩進んで、意図まで“聴く”
- ドラム・ベースのグルーヴを感じ、自分の歌を寄せる
- やりたいことを、日常の言葉でいいので伝える
- 歌唱力に加え、“聴く力・会話する力”を育てる
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