横田トレーナーにGSC(グル-プサウンドコ-ラス)についてインタビュー

ボーカル講師(ボイストレーナー)をはじめたきっかけ

モア東京ボーカル教室の運営メンバーから、「ゴスペルでもなく、いわゆるコーラスといった合唱でもなく、POPSを楽しく・カッコよく歌えるグループを作りたい」というオーダーをいただいたのが、GSCのはじまりですね。アーティスト・小田和正さんがプロデュースする『クリスマスの約束』というTV番組をご存知でしょうか? 豪華アーティストたちが集まって、年に一度一夜限りのスペシャルライブを展開する番組なのですが、最初、あんなカッコよさをイメージしていたらしいんです(笑)。さりげなく・カッコよく歌う…、そのためには相当な実力が必要とされますから、さすがにそのレベルまでは「できないです」とお答えしましたが(笑)、2012年の春にGSCの活動をスタートさせることになりました。でも、始まってみるとたくさんの生徒さんから「こんなPOPSを中心にグループで歌ってみたかった!」という声をたくさんいただいて。みんなから求められているカタチなんだと言うことが実感できましたし、何とかやって行けそうだという手ごたえを感じましたね。

*GSCとは・・・ J-POPSを大勢でカッコ良く歌うという、モア東京ボーカル教室が主催するワークショップ。

GSC(グループサウンドコーラス)で得られるもの・達成できるもの

GSCに在籍している方は、現在25名ほど。1時間半ほどのレッスンを、月に2回のペースで行っています。教室でのマンツーマンのボーカルレッスンだけですと、生徒さんはご自分の声とボイストレーナーの声以外の歌声に触れるチャンスが少ないですよね。メンバーが集まってそれぞれの歌声を聞くことで、客観的に自分の声を分析したり、確認することができると思います。レッスンでは主に、年に3~4回ほど開催されるライブに向けて練習するわけですが、発表のためだけの練習ではなく、ハーモニーを取るためのボーカル技術を身につけてもらえるような指導を心がけています。私も教室で1対1の時には指摘しづらい事でも、集団に向けたアドバイスとして発信することができますし(笑)。歌が上手くなるための情報は、たくさんあった方が良いですからね。生徒さんたちには毎回のレッスンのなかで、色々なことを吸収してもらいたいな、と思っています。

どんな方にオススメですか?

私としては基本的に、「歌に関わるすべての人が参加するべき」だと思っています。思い出すのは、私が最初に師事した音楽の先生からの一言。その先生は、「一流の音楽家になりたいなら、ソリストとしての経験、デュエットやトリオ、カルテット、クインテットからオーケストラまで、そのすべてに順応できるスキルが必要だ」とおっしゃったんです。マンツーマンのボーカルレッスンを受けて、ボイストレーナーに褒められたからと満足していては、それ以上の成長は望めないかも知れません。誰かの声につられるように高い音が出るようになったり、反対に一人では間違えないような所で音を外してしまったり。集団の中でしか得られない経験を重ねることによって自分のスキルが磨かれて、ふだん一人で歌う時の声も確実に変わって行くものです。もしも「もっと歌が上手くなりたい!」と思われている方がいらっしゃったら、複数人でのセッションや、GSCへの参加をオススメしたいですね。

レッスンをしていて感動したこと、思い出に残ること

GSCには「とにかく歌うことが好き!」という仲間が集まっていて、とにかくみんな仲が良いんですよ。そんなチームワークを大切にしたいという思いから、メンバーには一つだけお願いをしているんです。GSCに参加する上でのルールは、「あの人は○○しない」とか、「あの人はライブ前なのに練習に来ない」とか、他のメンバーを批判しないこと。お仕事をされていたり、家庭があったり、メンバーの生活はさまざまです。当然、多忙なスケジュールを調整できない時もあるわけですが、そんな事が原因でメンバー間に不満が溜まってもいけませんよね。ですからGSCは、「本番だけでも良いからおいでよ」というスタンスで(笑)、久しぶりのレッスンでも、「来て楽しかった」、「みんな優しかった」と感じられるような場所でありたいと思っています。そんなグループ内の「和」を象徴するようなエピソードがあるのですが、男性メンバーの一人がある時私に、「GSCで歌う楽曲に、女性のソロパートが少ないのでは?」と言って来たんです。男性メンバーが少ないこともあって、彼への負担が大きいのかな?と思って聞いてみると、男性の方が優遇されていると女性メンバーから不満が出るのを心配したとかで(笑)。そんな風に仲間に気を配れるなんて、ステキなメンバーたちだな、って思いましたね。

苦労したところ

GSCのレッスン中はほとんどの時間、ピアノを弾いていますから、それはもう大変な苦労です(笑)。というのは冗談ですが、メンバー一人ひとりの歌声を揃えて行くというプロセスには、やはり大変なものがありますね。人にはそれぞれ歌いグセがありますから、一人で歌う時と同じように声を出すと個性がぶつかり合って、たとえ同じ曲・同じ音程を歌っていても、ただの雑音にしかなりません。ソロで歌う時の大切な個性を殺して、ハーモニーを取るためのボーカル技術を身につけてもらうこと。全員で同じ発声ができるように、一つ一つ丁寧に部品を作り上げて行くイメージが大切になるのです。また、GSCで歌う曲の選定にも頭を悩ませることがありますね。コーラスがつきやすく、大勢でもユニゾンでもOKで、難易度はそれほど高くなく、メッセージ性があって…と、考え抜いて選んだ曲を、メンバーの顔を思い浮かべながらパート分けして。いかに「カッコよく聞こえるか?」に重点をおいて、ハーモニーをアレンジしたりしています。

本番を通して感じたこと

本番のステージではいつも生ピアノの伴奏を担当しているので、客席からゆっくり観るなんて事はできないんですよね。生徒さんたちの歌声に合わせて弾くことだけに集中しているのですが、リズムや音がズレた時だけは、何故だかすぐに分かるものなんですよね(笑)。そんな時、私は無意識なのですが、どうやらギロッと睨みつけているらしくて(苦笑)。生徒さん曰く「凍りつくような思い」をしているようです(笑)。ステージの様子については後日、録画映像で「こんな顔して歌ってたんだ」、「こんなコトしてたのね」と確認するわけですが、みんなが楽しそうに歌っている姿を見ると、心からホッとしますね。ステージ上で展開するフォーメーションやフリつけなどは、メンバーたちに一任しているのですが、パフォーマンスのレベルについても着実にアップしていると思います。20人ほどが歌うステージの伴奏を担当するということは、20人をおんぶするようなもの(苦笑)。でも、そんな伴奏疲れも吹き飛ぶほどの嬉しさ・充実感を得ています。

これからGSCで目指したいこと

「歌が好き!」という人たちが集まってスタートしたGSCですが、いつかメンバー一人ひとりの声が集結した「唯一無二」のサウンドを作り上げたいと思っています。今後はもっとGSCならではのサウンド、集団としての個性をアピールして行きたいですね。目指すのは、ライブをみた人が「自分もGSCに参加したい!」と思ってくれるような、カッコいいパフォーマンス。そのためにもメンバーのみんなには、楽しい時間・特別な時間を共有して、より結束を深めてもらえたらと思います。